eToro、ナスダック上場へ──仮想通貨の普及も成長を後押し

eToroがナスダック上場へ

暗号資産(仮想通貨)などの投資プラットフォームを提供するeToroは16日、ブランク・チェック・カンパニー(SPAC)の「FinTech Acquisition Corp. V(以下、FinTechV)」と最終的な合併契約を締結したことを発表した。

合併完了後は「eToro Group Ltd.」として事業を継続し、株式をナスダックへ逆さ上場(SPAC上場)する。合併後の推定時価総額は104億ドル(約1.1兆円)だ。

SPAC上場は、先に「企業買収を目的とする企業(SPAC)」が上場して資金調達、その後ターゲット企業(今回でいうeToro)を選定し買収することで、株式上場を果たす仕組み。従来型IPOを回避して資本市場に株式を上場する手法としてSPACを活用した上場例は近年増加傾向にある。

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2007年に創業したeToroは仮想通貨だけでなく、単元未満株や上場投資信託(ETF)など複数の資産に投資が行えるプラットフォームを提供している。利用手数料なしで投資を行うことができ、簡単な操作で追加手数料なしで、利益を獲得した投資家の戦略を真似ることができるなどの特徴を持つ。

2020年は新規登録者が500万人超増加し、総収益は前年比147%増の6億500ドル(約660億円)となった。2021年は1月だけで120万人が新規登録しており、成長が加速している。現在ユーザー数は合計で2000万人超まで増加しており、成長の背景にはデジタル資産プラットフォームの成長と、個人投資家の増加、仮想通貨の普及拡大があるという。

FinTechVの取締役会のトップBetsy Cohen氏は、成長や管理体制においてeToroは合併の条件を満たしていたと説明。「米国外でソーシャルトレーディングプラットフォームとしての地位を固め、米国市場での計画も持っている。収益基盤も多彩だ」と評価した。

今回の合併にあたり、ゴールドマンサックスがeToroの、シティグループがFinTechVの金融アドバイザーを務めている。また株式の私募増資(PIPE)にはソフトバンクが設立したファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」や「Fidelity Management & Research Company」らが参加した。

今後は株主の同意を得るなどの工程を経て、2021年第3四半期(7月から9月)に合併を完了できるようにする予定だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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