米中ビットコインマイニング企業、マシンの発注金額が160億円に上る
米中マイニング企業が事業規模拡大中
米中の暗号資産(仮想通貨)マイニング企業が、ビットコイン(BTC)マイニングマシンを拡充中だ。
ナスダックに上場する中国のインターネット会社The9 Limitedと北米のマイニング・ブロックチェーンテクノロジー企業Blockcapがそれぞれで、Bitmainのマイニングマシンを注文したことが分かった。両社の合計注文台数が36,000台、1億5,000万ドル(約163億円)以上の購入となる。
The9 Limitedは、子会社NBTC Limitedを介してBitmainの最新モデルであるAntminer S19jを24,000台取得する。このマイニングマシンは1台あたり約5,000ドルであるため、総費用は約1億2,000万ドル(約130億円)と見積もられた。
新しいマシンは、2021年11月から発送される予定で、配備が完了すると、The9 Limitedは毎秒約2,160ペタハッシュ(PH/S)の追加ハッシュレートを獲得する予定である。
一方、仮想通貨メディアTheBlockによると、Blockcapは12,000台のAntminerS19を購入。1台あたり約2,800ドルで、総費用は3,300万ドル(約36億円)以上と推定される。
Blockcapは、米マイニング企業Core Scientific出身のDarin Feinstein氏が創設した企業で、先月もハッシュレートを2倍にするために10,000台のS19マイナーを購入していた。
今回の購入により、2021年第4四半期までに配備されるマイニングマシンの総数は40,000台以上に増加。その時までにBlockcapのハッシュレートは毎秒3.5エグザハッシュ(EH/s)を超えると予想され、現在のハッシュレート0.95 EH/sの3倍以上になる見込みだ。
米国にも世界的なマイニング拠点を
Feinstein氏は、Blockcapが米国をビットコインマイニング分野のグローバルプレーヤーにすることを目指すと語っている。先日Core Scientificの成功戦略責任者Russell Cann氏も、中国を念頭に置きつつ「中国と異なり、政府の方針によって、仮想通貨市場が大きく影響を受けないためにも、北米でのマイニングシェア拡大は意義がある」と説明していた。
中国を意識しつつ、ビットコインマイニングにおける米国の地位を上昇させることは、米マイニング企業の間である程度共有された目標のようだ。
ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターによると、2020年4月時点で、中国はビットコインハッシュレートの約65%を占めており、2位に続く米国は約7%のシェアを獲得していた。2020年1月時点では、中国が約70%、米国は約3%であったことから、米国のシェアが数ヶ月で拡大していたことが分かる。
マイニングマシンへの高需要続く
ビットコイン市場が高値に留まることも背景に、様々な企業による新旧のビットコインマイニングマシン購入が続いている。
米ニューヨーク証券取引所に上場する中国のオンライン宝くじ運営会社500.com(500彩票)もビットコインのマイニング事業を拡大中。3月に入ってから、2016年にリリースされた旧式モデルであるAntminerS9を含むマイニングマシンを注文した。
完全に展開された暁には、500.comが保有するビットコインマイニングマシンすべての合計ハッシュレートは最大約1,000 PH/sになる見込みだという。
旧式マイニングマシンも購入対象になっていることは、ビットコイン価格上昇によりマイニングマシンに対する需要が高まっていることを示すものだ。
トロント証券取引所に上場する、カナダのマイニング企業Bitfarmsも最近、マイニングマシン48,000台の追加発注を発表。Bitfarmsによると、同社のハッシュレートは2021年末までに3 EH/s、2022年末までには8 EH/sに到達する見込みだという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します