CME決算説明会でマイクロビットコイン先物に期待感「ビットコイン先物市場にとって記録的な四半期に」
マイクロビットコイン先物に期待
暗号資産(仮想通貨)の先物取引を提供するCME(シカゴマーカンタイル取引所)は28日、四半期の決算説明会を開催した。来週3日にローンチするマイクロビットコイン(BTC)先物について言及し、「より多くの投資家層をターゲットできる」と期待感を示した。
CMEのTerry Duffy CEOは決算説明会にて、「ビットコイン先物市場にとって記録的な四半期となった」とコメント。CMEの金融・OTC商品のSean Tullyグローバル責任者は21年1Q(第1四半期)におけるビットコイン先物収益は約470万ドル(約5億円)に上ったことを明かし、前期収益を上回ると説明した。
昨秋からの強いトレンドは機関投資家の参入が後押ししていたが、CMEのビットコイン先物市場の動向は、これを裏付けるデータとも言える。
またTully氏は、来週3日に提供が開始するマイクロビットコイン先物(MBT)が顧客ベースの拡大につながると展望。マイクロビットコイン先物は、ビットコインの最小ロットを1/10契約にした金融商品だ。
現在のビットコイン先物は、1口5BTC(3,000万円相当)でマージンも一契約辺り10万5,000ドル(約1,100万円)かかるため、参入障壁は高い。
新しいマイクロビットコイン先物は、マージンも(一契約辺り)2,000ドル(約22万円)と大幅に下がったもので、顧客ベースはより幅広くなるだろう。
清算部門のSunil Cutinho会長は、マイクロビットコイン先物でも従来のBTC先物と「マージン割合は同じ」であると述べ、リスク管理は徹底している点を強調した。
マイクロビットコイン先物の提供が明らかとなったのは3月末。CMEは2017年12月よりビットコイン先物を提供しており、最近では機関投資家がビットコイン市場にエクスポージャーを持つ手段として活用されてきた。
関連:資産運用最大手ブラックロック、既にビットコイン先物を取引していたことが判明
イーサリアム先物
また決算説明会では、2月上旬より取引が開始されたイーサリアム(ETH)先物取引について、「1日あたり約1,000取引が行われている」と継続して進展が見られるとした。
一方、マイクロイーサリアム先物の提供の可能性については、将来的にはマイクロイーサリアム先物の可能性も「ゼロではない」としつつ、現時点ではETH先物の規模拡大に専念したいとした。
イーサリアム先物は先週22日、契約数と未決済建玉(OI)が過去最高水準を記録するなど堅調に推移している。
ビットコイン先物SQ控える
なお、CMEのビットコイン先物は30日午前1時に4月期限契約の取引最終日を迎える。
過去にはSQ日前後にボラティリティ(価格変動率)が高くなる傾向があったほか、2021年に入ってはSQ日後にビットコイン価格が反発する傾向が指摘されていた。
3月のSQ日(26日)の後にも同様の値動きが観測されてたため、4ヶ月連続で上記の傾向が発生している。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します