仮想通貨暴落時、「クジラ」がビットコインを買い漁る:データ
クジラが「ディップ買い」
5月19日〜20日暗号資産(仮想通貨)相場が暴落した際、クジラ(大口投資家)はビットコイン(BTC)を買い漁っていたことを示すChainalysisのレポートが公開された。
ChainalysisのチーフエコノミストPhilip Gradwell氏によると、クジラは先週暴落時、3,000億円以上(30億ドル)を超える77,000BTCを押し目買いしていた。オンチェーンデータの分析から判明した数値だとしている。
また、相場急落時に、オンチェーンで移動されたビットコインのうち、120万BTCは5%〜25%の損失(購入時よりマイナスのケース)で移動され、12万BTCは25%以上の損失で移動されていた。Gradwell氏はこの損失をトラッキングするオンチェーンデータについて、「この規模は2020年3月のコロナショックや2017年年末の暴落よりは小さかった」と説明、大規模な損切りには繋がらなかった可能性を指摘した。
オンチェーンロスは、Chainalysisが探知する「ある期間においてウォレットに入金されたビットコインの価格と、のちに出金された時の価格」との比較で、実際売られたかどうかにかかわらず「含み損」を意味する。しかし、相場が急展開する際には、オンチェーンの資金移動が多くなり、売却するために取引所に入金することも多くなることから、多くの「含み損」が「実現損失」になると想定できる。
売却されたビットコインを見ると、4〜13週間ほど保有されていたビットコイン(短期投資)は3,500億円相当のBTCが売られたことになる。
また、今後の参考データとして、投資家全体の平均取得価格については、過去12ヶ月で投資家全体が取得したビットコインの平均価格は37,800ドル(415万円)だった。
なお、イーサリアム(ETH)のオンチェーンデータもビットコインに類似している。同期間で計2,260万ETHが5%〜25%の損失で移動されていた。しかし、Gradwell氏によると、ビットコインほど損失の割合が大きくなかった。平均取得価格は1,700ドル(18.6万円)だった。
Gradwell氏は歴史的に相場がオンチェーン平均取得価格に戻ることで、底値が買い支えられる傾向があり、売り圧力はより弱まる可能性は高まるとコメントしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します