
ボー・ハインズ事務局長が退任へ
米ホワイトハウス暗号資産(仮想通貨)評議会のボー・ハインズ事務局長が退任する予定だ。
ジャーナリストのエレノア・テレット氏によると、ハインズ氏は現職から退き、民間企業に復帰する。なお、顧問としてはホワイトハウスのAI(人工知能)・仮想通貨担当官デビッド・サックス氏のAI関連プロジェクトの支援を続ける見込みだ。
ハインズ氏の後任には現在副事務局長を務めているパトリック・ウィット氏が就任すると伝えられる。
ハインズ氏もこの報道を認め、Xに次のように投稿している。
トランプ政権の一員として、そして優秀なAI・仮想通貨担当の最高責任者であるデビッド・サックス氏と共に、ホワイトハウス仮想通貨評議会の事務局長として働けたことは、生涯に残る栄誉だ。
私たちは共に、米国を世界の暗号資産(仮想通貨)の中心地へと押し上げた。業界の皆様の揺るぎないご支援に深く感謝申し上げる。
また、民間部門に戻るにあたり、米国の仮想通貨エコシステムを引き続き支援していくとも続けた。
ハインズ氏は2024年12月にトランプ大統領から事務局長に任命され、今年4月には就任からわずか3か月で仮想通貨業界の150人と面会したと話している。
デジタル資産諮問委員会の役割は、ホワイトハウスの政策、業界、省庁間の活動、議会の間の調整役のようなものだとも述べた。
ハインズ氏はサックス氏とホワイトハウス初の仮想通貨政策報告書の作成を主導していたところだ。7月末に公開されたこの包括的報告書は「仮想通貨黄金時代」の到来を宣言する内容である。
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トランプ政権下で、様々な当局が仮想通貨に友好的な政策へと方向転換している。前政権下では仮想通貨企業を積極的に提訴するなど「執行による規制」を行っていると批判されていた米証券取引委員会(SEC)もその一つだ。
新政権でSEC委員長に就任したポール・アトキンス氏は7月末、米国を仮想通貨の中心地にする「プロジェクト・クリプト」の開始を表明している。
株式、債券など様々な現実資産(RWA)がパブリックブロックチェーン上でトークン化されることや、分散型金融(DeFi)が証券市場の一部となることなどを将来的なビジョンとして語った。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。RWAのトークン化の可能性は、資産運用最大手ブラックロックらも注目している。