
新たな仮想通貨財務戦略の事例
ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)業界のフィンテック企業ALT5 Sigma Corporation(以下、ALT5)は11日、米トランプ一族と関連のあるプロジェクト「ワールド・リバティ・フィナンシャル」のトークン「WLFI」の財務戦略を開始することを発表した。
財務戦略の開始に際し、普通株と普通株等価物で合計15億ドル(約2,220億円)を調達する契約を締結したと説明。契約手続き完了後、調達額の一部をWLFIの取得に使用し、総供給量の約7.5%を保有する計画だと述べている。
ALT5は、トークン化やトレード、決済などのためのブロックチェーン技術を提供している企業。今回の発表では、デジタル資産取引と決済のソリューションプロバイダーとして、今後も事業を拡大していくと説明した。
今回の資金調達は、直接募集と私募を介して行われる。普通株と普通株等価物を半分に分けてそれぞれ販売し、合計で15億ドルを調達する計画。私募はワールド・リバティ・フィナンシャルがリード投資家を務め、同社はWLFIで出資を行うと説明した。
また、具体的な名称は明かしていないが、今回の出資には世界最大手の機関投資家や著名な仮想通貨ベンチャーキャピタルが参加するとも述べている。
調達した資金はWLFIの取得以外にも、債務の返済や事業の運営などに使うと説明。出資の契約手続きは、慣習的な取引完了条件を満たした後、8月12日ごろに完了するとした。
ALT5の株価は、本記事執筆時点における時間外取引で、6.5ドル付近で推移。11日には一時9.7ドル付近まで上昇していたが、前日比26%超値を下げている(TradingView参照)。
なお、「ある上場企業」がWLFIの財務戦略を採用する計画があることは先週に報じられていた。
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人事について
ALT5は今回、WLFIの財務戦略を開始するための人事も発表した。
ワールド・リバティ・フィナンシャルから、トランプ米大統領の次男であるエリック・トランプ氏が取締役会に加わると説明。他にも、同社の共同創設者であるザック・ウィトコフ氏やザック・フォークマン氏らもALT5に加わるとした。
ワールド・リバティ・フィナンシャルはWLFI以外にも、米ドルステーブルコイン「USD1」を発行している。
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