ゴールド市場急落を後目にビットコイン失速、難しい局面続く
ビットコイン相場と金融マーケット
18日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-3.88%の413万円(37,450ドル)まで続落した。
マイニングの集積地として知られる中国・四川省マイニングを停止措置通知は、一時的なハッシュレート大幅下落やマイナーの売り圧力につながる恐れもあることから嫌気された可能性がある。
エクサルバドルにおける法定通貨化法案可決などのポジティブサプライズの後押しもあり、前週は大幅反発したが、4万ドル以上は上値の重さが際立った。41,300ドルからの反落後は、高値・安値ともに日足を切り下げている。方向感に乏しく、触りにくい相場が続いている。
前週の週足が強く、現時点ではレンジ上限付近の推移に留まることから挽回も可能とみられるが、イーサリアム(ETH)など主要アルトのチャートはより厳しい情勢に立たされている。
アルトシーズンで40%未満まで大幅下落していた「BTCドミナンス(市場占有率)」は45%台まで回復するも、ビットコインに資金が集中しているというよりは、アルト市場からの資金抜けが目立つとの指摘も少なくない。
DeFi市場データを確認すると、TVL(預入資産総額)こそ依然として今年4月と同等の高水準にあるものの、FTXの指数先物は今年2月の最低水準まで落ち込んでおり、やはり軟調さが目に留まる。
ゴールド市場は大幅続落
FOMCの結果を受けて会見に臨んだ連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は日本時間16日3時過ぎ、「量的緩和の縮小(テーパリング)」について、段階的な議論を始めることを明かした。
ワクチン接種が想定より早く進み、実体経済回復を伴う「金融政策」の正常化は本来歓迎すべきことではあるが、緩和マネーの大規模流入で浮き足立ってきた金融マーケットにとっては、資金の逆流が予期されることから向かい風だ。コロナ禍におけるビットコイン高騰も例外ではない。
パウエル議長は、金融引き締め(利上げ)議論について「時期尚早」と述べ、慎重な姿勢を堅持したが、FRBによる金利予測分布図(ドットチャート)の予想中央値では「2023年末までに2回の利上げを見込んでいる」ことを示しており、市場はネガティブに反応した。
結果的に昨日は、ドルインデックス(指数)が急進。米国株やゴールド(金)などの貴金属市場、ビットコインなどリスク資産全般が売られる形となった。
ドルインデックスとは、複数の主要通貨に対する、米ドルの為替レートを指数化したもので、ゴールド市場やビットコイン市場は、マクロ要因としてドル買いと逆相関する傾向にある。また、昨年3月のような極端なリスクオフ局面では、手許資金の確保や追加証拠金の捻出のため、リスク資産全般が売られやすい。
米国債利回りの上昇は、金利を生み出さない金を保有する機会費用の観点から、ゴールドの売却動機に繋がるとされる。シンガポールの大手行オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の分析によれば、22年末に1トロイオンス=1500ドルまで下落する可能性があると悲観的な見立てを示している。
デジタル・ゴールドとしての性質を持つビットコインとゴールドは比較・議論の俎上に載せられやすい。歴史的に安全資産とされてきた金は、昨夏にも1オンス=2000ドルの最高値を更新後、ドルインデックス高騰に伴い中期的な下落を余儀なくされた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します