米決済大手スクエア、ビットコインのハードウェアウォレット開発へ
ハードウェアウォレットの開発を決定
ツイッター創設者のJack Dorsey氏が率いる米決済企業スクエア(Square)が、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のハードウェアウォレットを開発する計画であることが分かった。Square社の製品開発責任者Jesse Dorogusker氏が発表し、CEOのDorsey氏もこれを確認している。
Dorogusker氏は一連のツイートで以下のように説明した。
当社はビットコインのセルフカストディをより広く普及させるため、ハードウェアウォレットなどのサービスを構築することを決定した。
製品の方向性は「ビットコインファースト、グローバルなリリース、マルチシグ、モバイル機器での使用を優先的に考慮すること」である。
次のステップとして、小規模で部門の枠を超えたチームを構築して開発を進めていきたいという。
マルチシグ
複数の「秘密鍵」で署名を行わないと取引が実行されない仕組みや技術を指す。「複数」を表す「multi」と「署名」を表す「signature」を組み合わせた「multi-signature(マルチ・シグネチャ)」の略。秘密鍵が1つ漏洩した場合でも、別の秘密鍵がないと取引ができないため、セキュリティを向上させることができる。
▶️仮想通貨用語集
Dorsey氏は、6月5日にスクエアがハードウェアウォレットの開発を検討しているとツイートしていたが、実現に向けて実際の計画として動き始めたことになる。
仮想通貨を積極導入するスクエア
スクエアは以前より仮想通貨の採用に積極的だ。同社の決済アプリ「Cash App」では、ユーザーがビットコインの売買を行うことが可能で、2020年12月からユーザーの消費額についてビットコインを還元する機能も開始している。
関連:米決済大手SquareのCash App、利用時のビットコイン還元サービスを開始
またスクエアは、2020年第4四半期の決算発表で「仮想通貨は経済的に人々を力づける手段」であり「個人がグローバルな通貨システムに参加し、経済的に安定した未来をえる方法」になると見解を述べた。
財務資産としても約8,000ビットコイン(時価290億円相当)を購入しており、その運用から生じた利息で、金融アクセスの向上に取り組む「ビットコイン基金」を設立している。
関連:米スクエア5億円規模のビットコイン基金、初の交付先が決定
スクエアは中小企業向けの決済処理ソフトウェアで知られており、またPOSレジ用の端末やチップリーダーも製造してきた。すでにLedgerとTrezorという二大メーカーが存在しているハードウェアウォレット業界だが、今後スクエアが参入した場合どう変化していくのか注目される。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します