米大手ヘッジファンドSkyBridge、運用のビットコインによるCO2を相殺へ
ビットコインのCO2を相殺
米投資企業SkyBridge Capital(以下、SkyBridge)は2日、同社のファンドが保有するビットコイン(BTC)が排出した温室効果ガスを相殺するため、気候テック企業MOSS Earth(以下、MOSS)とパートナーシップを締結したことを発表した。
ビットコインはマイニングの際、コンピューターが膨大な計算を行うため、電力を消費する際に温室効果ガスが排出されることが、最近特に問題視されている。SkyBridgeには、今回のパートナーシップを通して、環境問題を重視する投資家にもビットコインが受け入れられるようにする狙いもある。
SkyBridgeは著名投資家Anthony Scaramucci氏が2005年に設立した投資企業。今年1月にビットコインに投資するファンド「SkyBridge Bitcoin Fund LP」を立ち上げるなど、暗号資産(仮想通貨)に関する投資サービスも提供している。
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MOSSは環境保護に関するサービスに特化した企業。「カーボンクジレット」に裏付けられたトークン「MCO2」を利用し、企業らが温室効果ガスを相殺できるサービスを行っている。
カーボンクレジットとは、再生可能エネルギーの導入や植林などの森林管理等によって実現できた温室効果ガス削減・吸収量を、定められた方法に従って数値化して取引可能な形態にしたもの(環境省参照)。企業らは、カーボンクレジットを購入し、それを無効化して再度利用できないようにすることで、どうしても排出されてしまう温室効果ガスを相殺することが可能だ。
今回SkyBridgeは、ファンドが保有するビットコインの数量から温室効果ガスをMossの基準で算出。3万8,000トン超の二酸化炭素に相当するトークンを購入し、すぐに無効化して相殺すると説明している。
Scaramucci氏は、今回の発表に際し、以下のようにコメントを寄せた。
我々は、今後10年経つまでには、ビットコインのマイニングは完全に再生可能エネルギーで行われるようになると予測している。
それまでの間、ビットコインを環境に優しい資産にし、ESG投資の対象として普及させるためには、温室効果ガスの相殺は効果的な方法だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します