DeFiのエコシステム発展へ Near Protocol、900億円規模のファンドを発表

DeFiに特化したファンド

ブロックチェーンを開発するプロジェクト「Near Protocol」は25日、8億ドル(約910億円)のファンドを立ち上げたことを発表した。

このファンドの資金は、エコシステムの発展に貢献する取り組みに配分される。全てのコミュニティがファンドを申請することはできるが、今回はDeFi(分散型金融)のプロジェクトを中心に資金を提供するとした。

Near Protocolは、ブロックチェーンを活用し、人々が自身のお金やデータなどを自分で管理できる世界を構築しようと取り組んでいるプロジェクト。Andreessen Horowitz(a16z)やPantera Capitalらの著名企業から出資を受けている。現在はDeFiに加え、NFT(非代替性トークン)や自律分散型組織(DAO)、ゲームに特化したプロジェクトにも注目しているという。

DAOとは

「Decentralized Autonomous Organization」の略で、自律的に機能する分散型組織を指す。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在せず、参加メンバーやアルゴリズムによって運営される。

▶️仮想通貨用語集

DeFiについてはすでにエコシステムが構築されており、運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」は1.5億ドル(約170億円)に到達。この金額を速くかつ安全に増やしていきたいとしている。

次の段階としてNear Protocolは、開発者に最高のサポートを提供したいと説明。またユーザーには、分散型ウェブ(Web3.0)を活用して摩擦のない体験を提供したいとし、今回のファンドで、これらの取り組みは加速するだろうと期待を示した。

ファンドの配分の概要も説明しており、1億ドル(約113億円)は、Near Protocolの最大のコミュニティがあるアジア、欧州、米国における開発を促進するために使用するという。

Near Protocolとは

Near Protocolが開発するブロックチェーン「NEAR」は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)などと同様にレイヤー1(一層目)のブロックチェーン。コンセンサスの仕組みにはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用している。

次世代イーサリアム「ETH2.0」と同様に、「シャード」という複数のチェーンを稼働させる仕組みを導入していることが大きな特徴だ。

現在もロードマップに従って開発を継続中で、今回の発表では、今年中にシャードの開発で次の段階に移ると説明。現在の1つのチェーンから4つに増やし、シンプルさを維持しながら、処理能力を高めていくとした。

その後は運用の分散化を進め、バリデータの数を100まで増加させる計画。このプロセスの一環として、シャードの開発をサポートする取り組みに新たなファンドを提供する予定だとも説明している。

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