米SEC、VanEckの現物ビットコインETFを非承認

想定内の非承認

米SEC(証券取引委員会)は12日、VanEck社が申請した現物ビットコインETFに対して、非承認という判断を下したことがわかった。

SECは判断の書類で、「このETFは、相場操縦や詐欺行為を防ぎ、投資家の利益を守るための要件を満たしていない」としている。

非承認に関する根拠は、SECのGensler委員長がこれまで現物ビットコインETFに対して指摘していた内容と一致している。委員長は過去に現物ETFについて、ビットコインの現物市場が規制されておらず、相場操縦といった不正行為に影響されやすいとして、ビットコイン先物ETFのほうが投資家に相応しいと論じていた。結果としては、10月に2つの先物ETFが承認され、取引所への上場が実現した。

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VanEckが申請の手続きを開始したのは、2020年12月でこれまで複数回の判断延期を受けていた。また、過去にも同じような現物ETFを2回申請したが、非承認との結果になった。Jan van Eck CEOは再度非承認とされたことについて、「SECの判断に関しては失望した。投資家が先物ETFではなく、より優れた現物ETFにアクセスすべきだと思っている」と語った。一方、非承認の判断は、業界ではある程度想定されていたため、ビットコインの下落幅は限定的だった。

先物ETFは現物ETFとは異なり、CMEのビットコイン先物契約に投資するため、保管コストやロールオーバーの損益が発生するために、投資家がより高いコストを払うデメリットがあると有識者らに指摘されている。

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SECは現在10件以上の現物ビットコインETFを審査している。次に最終判断が判明するのは、WisdomTreeのETFで12月4日前後までの予定だ。(ETFの承認見込み・日程に関する詳細記事はこちら

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