ビットコイン急落前後に捕捉されたクジラの動き、テゾス高騰の背景は
仮想通貨市況
8日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比+0.06%の572万円(50,400ドル)と横ばい。
52,000ドル付近のトレンドラインに接触して反落した。レジスタンスライン(上値抵抗線)が増えることから戻り売りが入りやすい局面と言える。
Glassnodeのデータによれば、4日のフラッシュクラッシュにて、主要取引所全体における先物市場のOI(未決済建玉)は-24.5%に及ぶ54億ドル相当が吹き飛んだ。
大量清算されたポジションは58,202BTCの価値があり、21年5月19日の暴落で清算された79,244BTCに次ぐ規模となった。永久先物のFundingRate(資金調達率)は一時-0.035%まで沈んだ。プレミアムが剥離し、マイナス圏にまで転じるのは今年9月以来になるという。
オンチェーン上の実現損失は今年3番目の規模を記録したが、一方で高値掴みで含み損を抱えたホルダーが降伏(損益確定)して上値が軽くなったことを意味する。
海外のクリプトアナリストCapo(@CryptoCapo_)氏は、2020年3月(コロナショック)の暴落後のローソク足の推移を今回と比較。今後想定されるプライスアクションを示唆した。
アルトコイン市場(上位125銘柄)の総時価総額は、依然として放物線を描いて上昇する過程にあるとし、「まだ終わってない」との見立てを示している。
Santimentは、現時点でも他の金融資産クラスと比較すると大きなリターンを得ていることを指摘。2年前と比較したデータでは、ビットコイン+563%に対し、S&P500(米国株価指数)は+44%、ゴールドは+22%に留まる。
オンチェーンデータとクジラの動向
このような局面にあって、相場への影響度の高いクジラ(大口投資家)の動向も注視される。
ブロックチェーン分析プラットフォームのSantimentによれば、4日の暴落でBTC価格が43,500ドルを下回った時、1万BTC〜10万BTC保有する保持する大口アドレスは、BTCを大量購入した。
ただし、その直前に発生した同規模の売りをオンチェーンデータが捉えている。大規模の売却はロスカット連鎖による急落を引き起こし、相場暴落のトリガーとなったた可能性もありそうだ。
CryptoQuantのアナリスト(@venturefounder)によれば、118,017BTCを保有する「世界3位のビットコイン大口ウォレットが、急落時に2,702BTC(約155億円)を買い増した」。取引所のアカウントではないとの見解を示す。
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アルトコイン市場の動向
Coinmarketcap(CMC)時価総額38位で国内にも上場するテゾス(XTZ)が、前日比+36.3%と高騰した。
アサシンクリードなどで知られるフランスの大手ゲーム会社Ubisoft(ユービーアイソフト)が、テゾスチェーン基盤のNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz(β版)」のローンチを発表したことなどが材料視された。UbisoftのTwitterフォロワー数は866万人に達する。
Ubisoftは今年4月、テゾスのステーキングへの参加を発表している。 Baker(ベーカー)となった。テゾス開発関連会社Nomadic Labsとの提携で実現した。
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