ナイキ、メタバース関連企業「RTFKT」を買収
メタバース関連企業を買収
大手スポーツブランドのナイキ(NIKE)は13日、メタバース(仮想空間)上のデジタルスニーカーなどを制作する「RTFKT」を買収したことを発表した。
RTFKTというブランドに投資を行い、RTFKTのコミュニティをサポートして発展を促進する計画。また、ナイキ自身のデジタル事業も拡大させると説明しており、今回の買収が、同社のメタバース領域への進出を加速することになるとの見方も上がっている。なお、買収の契約条件は明かされていない。
メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。
▶️仮想通貨用語集
関連:次世代の仮想空間サービス「メタバース」とは|ブロックチェーンとの関係も解説
ナイキは先月、独自のメタバースエリア「NIKELAND(ナイキランド)」の設立を発表するなど、すでにメタバース事業に参入。また、「NIKE・Jordan・Just Do It・スウッシュロゴ」利用のスポーツ用品やスニーカーなど多岐にわたるデジタルグッズについて、米国特許商標庁に商標の申請も行なっている。
関連:ナイキもメタバース参入、ゲーム内に「NIKELAND」設立
RTFKTは、コロナ禍の2020年1月に友人3名で設立した、クリエイター主導の企業で、メタバース上に創設。NFT(非代替性トークン)やブロックチェーン認証、ゲームエンジン、拡張現実(AR)などの最新技術を活用し、スニーカーなどのデジタル製品を作っている。公式ウェブサイトによると、デジタル世界の所有履歴の記録には、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを使用しているという。
関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説
ナイキはRTFKTについて「クリエイターの幅広いコミュニティのために、実物とデジタルの価値の境界線を再定義しようとしている開拓者である」と評価。また「最先端の技術を活用し、文化とゲームを融合した次世代のデジタル収集品を届けようとしている」とも説明している。
関係者のコメント
今回の発表に際し、ナイキのJohn Donahoe最高経営責任者(CEO)は以下のようにコメントを寄せた。
今回の買収は、ナイキのDX(デジタルトランスフォーメーション)における新たな一歩だ。
我々はRTFKTと共に、スポーツや創造、ゲームや文化において、アスリートとクリエイターに尽くしていきたい。
また、RTFKTのBenoit Pagotto共同創設者は以下のように述べている。
今回の買収は、RTFKTのブランドを確立する特別なチャンス。我々が愛するコミュニティのために、ナイキの強みや専門技術を利用できることを嬉しく思う。
ナイキは、イノベーションや創造、コミュニティに対する深い情熱を共有できる唯一のブランド。これから、メタバースで作り上げてきた我々のブランドを成長させていきたい。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します