米マイクロソフト、メタバース事業の発展へ アクティビジョン・ブリザードを買収
メタバース事業の発展へ
米マイクロソフトは18日、米ゲーム大手企業アクティビジョン・ブリザードを687億ドル(約7.8兆円)で買収すると発表した。
モバイル機器やパソコン、ゲーム機器、クラウドと環境をまたいでゲーム事業の成長を加速させることが狙い。また、今回の買収をメタバース(仮想空間)事業の発展にもつなげたいとした。
メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。
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アクティビジョン・ブリザードは、「Call of Duty」や「World of Warcraft」といった人気ゲームを手がけている。同社の月間アクティブユーザー数は4億人。ユーザーは190カ国に広がり、同社はeスポーツ事業にも強みを持つ。
今回の発表でマイクロソフトは、買収が完了すれば中国のテンセントと日本のソニーに次いで収益が世界3位のゲーム企業になると説明した。
買収手続きの完了は2023年度になる見込み。これから、慣習的な取引完了条件を満たし、規制当局やアクティビジョン・ブリザードの株主からも承認を得る必要がある。現時点では、両企業の取締役会が合意した状況だ。
マイクロソフトのSatya Nadella最高経営責任者(CEO)は今回の発表に以下のようにコメントを寄せた。
ゲームは全てのプラットフォームにおいて、最も勢いがあり、非常にエキサイティングなエンターテインメント。メタバースのプラットフォームの開発でも重要な役割を果たすだろう。
我々は、プレイヤーやクリエイターを1番に考え、ゲームを安全に誰でも利用できるという新たな時代を先導するため、ワールドクラスのコンテンツやコミュニティ、クラウドに投資していく。
メタバース事業
今回の発表では、メタバース事業について詳しい説明はなかったが、Nadella氏は昨年11月、ブルームバーグTVの取材で、ゲームコンソール「Xbox」におけるゲーム型メタバースの開発にも注力すると明かした。
その際、ゲームにメタバース環境を導入することを示唆。「HaloやMinecraftなどの2D世界のゲームを完全なる3Dにすることが課題だが、我々の計画にはある」と説明していた。
メタバースはブロックチェーン技術と相性が良いため、暗号資産(仮想通貨)業界からもマイクロソフトの動向に注目が集まっているが、同社ゲーム部門のトップPhil Spencer氏は昨年11月に、NFT(非代替性トークン)を同社のゲームに導入することに対しては、慎重な姿勢を示している。
全てのNFTゲームがそうであるとは言わないが、現在の傾向は「搾取的」であると主張。エンターテインメントというよりは利益優先の傾向が見られると指摘した。
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