日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」、110億円規模のファンドを発表
ブロックチェーンエコシステムの発展へ
日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network(ASTR)」は11日、1億ドル(約110億円)規模のファンドを発表した。
ファンドの名称は「Astar Boost Program」。DeFi(分散型金融)の流動性提供や、NFT(非代替性トークン)領域における開発への資金提供等の経済的なサポート、インセンティブプログラムの実施などで資金を利用することを計画している。より多くのアプリケーション、資産やユーザーを、世界規模でAstar Networkのエコシステムに呼び込むことが狙いだ。
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Astar Networkは、異なるブロックチェーンの相互運用を実現するポルカドット(DOT)のネットワークに接続するための枠を勝ち取ったブロックチェーン。開発者に報酬を与える「dApp Staking」という仕組みを導入していることが大きな特徴だ。また、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)に加え、より多くの開発者を呼び込むことが可能なWebAssembly(WASM)の開発環境を提供していることも大きな特徴である。
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Astar Boost Programは、今回の発表前からすでにローンチされており、ArthSwap、PolkaEx、Celer cBridgeといったDeFiプロジェクトに対し、流動性やインセンティブの提供でサポートを開始している。
Celer cBridgeは、別のブロックチェーンから資産をAstar Networkに移動させることができる機能を提供。今回のAstar Boost Programを活用して、イーサリアムやポリゴン(MATIC)などのブロックチェーンから資産を移動することに対し、インセンティブを提供することを計画しているという。
Astar Boost Programへのコメント
今回の発表に際し、ArthSwapのチームは以下のようにコメントを寄せた。
Astar Boost Programは、エコシステムを成長させるための強力なツールだ。
手数料が安いこと、処理能力が高いこと、dApps(分散型アプリ)との相乗効果の高さから、Astar Networkはポルカドットのプロジェクトの中でも存在感が高まってきている。
また、Astar Networkの渡辺創太創設者は以下のように述べている。
我々はAstar Boost Programも提供していくことで、ネットワークに関わるプロジェクトを経済的にサポートしていく。
これから各プロジェクトと共に成長し、コミュニティのオンチェーンでの活動に、より多くの報酬を与えられるようにしたい。
今回の発表時点で、Astar Network上で運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」は5億ドル(約570億円)超。この金額は、ポルカドットのスマートコントラクトプロトコルの中で、最も大きな規模だという。
ポルカドットとは
ブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)に重点を置いたプロジェクト。ポルカドットに接続できるブロックチェーンの数は100までとされているため、現在もその枠を争うためのオークションが続いている。Astar Networkは世界で3番目に枠を勝ち取った。
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