出口詐欺容疑の仮想通貨取引所関係者ら、原告が累計4万年の懲役を求刑

Thodex幹部への起訴状発行

トルコの原告団は、同国の暗号資産(仮想通貨)取引所Thodexの幹部21人に対して、最大40,564年の懲役刑を求刑した。現地メディアなどが報道した。

問題となっているThodexは、21年4月に突然サービスを停止。顧客は資金の引き出しやアカウントへのアクセスができなくなり、出口詐欺の疑いで捜査されてきた。

20年から、外部へ不審な送金が行われていたことも突き止められており、21年5月時点で、すでに事件に関連して約77人が逮捕されていた。

関連:渦中のトルコ仮想通貨取引所、2020年より不審な外部送金か

出口詐欺とは

不正な企業などが、投資家から何らかの口実で資金を集め、その資金を持ち逃げする行為。

▶️仮想通貨用語集

起訴内容

トルコのメディアDemiroren News Agencyによると、ThodexのFaruk Fatih Özer CEOを含め、21人の容疑者が起訴され、以下の3つの容疑で合計4万年超の懲役が要求されている。

  • 犯罪を目的とした組織の設立と運営
  • 情報システムを利用した詐欺
  • 会社の経営者、協力経営者の行う詐欺

起訴状は、Thodexがこれらの犯罪から得たすべての財産を没収することも要求するもので、総額3.5億トルコリラ(約30億円)以上の被害が発生したと申し立てた。

現時点では、法廷に送られたばかりで、裁判はまだ開始されていない。なおトルコ当局は、残り61人の容疑者について、起訴する必要はないと判断しているという。

CEOは依然逃亡中

Thodexの28歳のCEOであるFaruk Fatih Ozer容疑者も今回の起訴状に含まれている。昨年4月にOzer容疑者は、「いつかトルコに戻って必ず返済し、正当な裁判を受ける」との声明を発表していたが、依然として逃亡を続けている状況だ。

2021年4月には、Ozer容疑者がイスタンブール空港で目撃された。以来、トルコの警察チームは、アルバニアを含む4か国に赴き捜索を行っているが、未だに居場所を特定および逮捕には至っておらず、インターポールからも国際指名手配されている。

トルコ政府は仮想通貨やメタバースを調査へ

なお、トルコでは、仮想通貨に対する規制も進んでいるところだ。

21年6月には、トルコの中央銀行が仮想通貨についてのレポートを作成。トルコ中銀総裁は過去に「仮想通貨について幅広い規制を策定している」、「中央銀行の立場としては、仮想通貨を禁止するつもりはない」と述べている。

トルコでは、仮想通貨を商品やサービスの決済手段として使用することは禁止されているが、取引や保有は可能だ。

関連:トルコ、仮想通貨法案をまもなく国会で審議か

また今年1月には、エルドアン大統領が、政権与党にメタバースや仮想通貨に関する調査を指示していた。

関連:トルコ大統領、仮想通貨やメタバースの調査を指示

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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