際どい水準を推移するビットコイン、DeFiプロトコルのTVLは前月比で半減

仮想通貨市況

23日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が前週末比618.34ドル(2.0%)高、ナスダック指数が前週末比180.66ドル(1.59%)高となった。

一方、米株価指数先物が時間外取引で下落すると、24日の日経平均株価や暗号資産(仮想通貨)は下落。

ビットコイン(BTC)は、前日比2.35%安の374万円(29,244ドル)と反落した。

BTC/USD日足

売られすぎ水準にあったことから短期では買い戻しが入り、直近安値から一時31,400ドルまで反発したものの買いが続かず。その後も米指数に連れ安するなど値動きに主体性はなく、際どい価格水準を推移している。

ビットコインと逆相関傾向にある米ドルインデックス(DXY)が、21年6月以降の大幅上昇から一服、下落に転じたことは反転シグナルの1つと言えるだろう。21年1月から5月にかけて、指数は89.5から105まで上昇していた。

ドル指数

この点についてKevin Svenson(@KevinSvenson_)氏は、「5年チャートでレジスタンスライン(上値抵抗線)を試している」と言及。「重要ラインの102を下回った場合、株式や暗号資産(仮想通貨)にとっての強気シグナルとなり得る」と指摘した。

il Capo Of Crypto(@CryptoCapo_)氏は、メジャーアルトのバスケット価格を追跡する「Altcoin Perpetual Futures Index(ALTPERP)」を参照。すでにサポートレベルを下抜けており、出来高の薄い真空地帯にあるとの見立てを示した。

同データは、2021年以降にアルトコインを買ってその後売却していない投資家の大半が含み損状態にあることを示唆する。Capo氏は、次のサポートライン(下値支持線)まで「-37.28%」の下値余地が想定されると警鐘を鳴らした。

また、「先物市場のFunding Rate(資金調達率)も依然として中立付近にあるほか、OI(未決済建玉)も降伏シグナルに達していない」と指摘している。

Funding Rateがマイナス圏に振れることはショートポジションへの偏りを、OIの急激な減少は含み損を抱えたロングポジションの大量ロスカットを示す。

センチメントの悪化

米株指数(NYダウ)、ビットコインともに8週連続下落という歴史的な市況悪化を受け、投資家心理は悪化の一途を辿る。

Fear and Greed Indexは17日、過去最低水準の「8」に達した。コロナ・ショックで金融相場が暴落した20年3月に匹敵する水準だ。

Crypto Fear & Greed Index

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過剰流動性バブルの恩恵を受け、2021年以降右肩上がりだったDeFi(分散型金融)市場からも資金抜けが顕著となった。DeFiプロトコルへの預入総額を示す「Total Value Locked(TVL)」の値は、今年の4月初旬に2300億ドルあったが、現在は48%減の1100億ドルまで急落した。

株式指数の暴落による市況悪化をはじめ、アルゴリズム型ステーブルコイン「UST」のディペッグ騒動でTVL値の99.5%を失ったテラ(LUNA)ショックの波及もあり、ステーキングやイールドファーミングを通じたAPR(年換算利回り)を目的とする投資需要は影を潜め、リスク回避の動きが一斉に広がった。

ステーブルコインの信用度に応じたポートフォリオのリバランスも進んでおり、CryptoSlateのデータによると、5月11日時点で842億ドル規模を有していたテザー(USDT)の循環供給は、USTショック後の23日時点では733億ドルまで減少している。

関連:テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ

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