ビットコイン10週連続下落は辛うじて回避、31000ドル台を回復
仮想通貨市況
前週末の米主要指数は雇用統計の強さを受けた利上げ思惑で下落。東京株式市場の寄り付きはこれを受け反落スタートとなるも、前場引け時点でプラスに転じた。
今週末の10日には、6月限先物・オプション取引のメジャーSQと米消費者物価指数(CPI)発表を控えており、警戒感が強まるおそれもある。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+3.88%の404万円(31,000ドル)と反発した。
昨年の最安値である29000ドル付近をサポートに週足を更新して陽線を付けると再反転している。歴史上最長を更新する10週連続の下落は辛うじて回避した格好だが、週足は長い上髭陽線であり市場の迷いも見受けられる。2週連続陽線となるか、今週の値動きは特に注視されるだろう。
投資管理会社の米ARK Investment創設者であるキャシー・ウッド氏は、「BTCのオンチェーン・メトリクスが強気シグナルを発している」と言及した。
1年以上移動していない長期保有者のシェアが過去最高の65.7%に達し、短期保有者が「降伏シグナル」を示していることなどが背景にある。
ARK InvestmentのアナリストであるYassine Elmandjra氏らが指摘したもので、投資家の平均利益/損失を評価するために用いられる「実現価値(MVRV)」では損益分岐点より35%下落しており、この水準は20年1月と21年7月に見られたという。
分析会社IntoTheBlockのデータによれば、UTXO(未使用トランザクション出力)を用いたビットコインのUTXO Ageでも、ホルダーの入れ替わりを示唆する同様の傾向が見られる。
IntoTheBlockの調査責任者であるLucas Outumuro氏は、暗号資産市場の全体時価総額は21年11月のピーク時には過去最高の約3.07兆ドルに達したが、それから半年間で57%減少したと指摘。
それでも、「過去の歴史上における弱気相場ほど酷い相場環境にはない」との見解を示した。ファンダメンタルズ関連指標が過去の弱気相場よりも落ち込んでいないことを論拠としている。
ビットコインの日間出来高では、18年5月の13万ドルと比較して22年5月は平均50万ドルを超えるほか、ソフトウェア開発のプラットフォームで開発の活性化度合いを表す「GitHub Development Activity」では、ビットコイン・イーサリアムともに一貫した成長を見せている。
ビットコインネットワークへのコミットメントは、過去2年間で50%以上成長した。
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