仮想通貨大手企業Blockchain.com、Three Arrowsの破産で約370億円の損失か

約370億円の貸し倒れ

暗号資産(仮想通貨)ウォレットや取引サービスを提供するBlockchain.comは、ヘッジファンドThree Arrows Capitalへの貸し倒れにより約370億円(2億7,000万ドル)の損失を被ったことが分かった。投資家向け文書の内容に基づいて、8日に米CoinDeskが伝えた。

Three Arrows Capital(3AC)は4月時点に推定4,000億円(30億ドル)の運用資産を有したシンガポールのヘッジファンド。ポートフォリオ銘柄の暴落とハイレバレッジ運用の末に債務不履行に陥り、1日に米国で破産申請を出している。

3ACは業界中の融資会社から資金を借入れていたため、デフォルトの影響は多方面に渡る。同社に計900億円相当を貸していたVoyager Digitalも5日に破産申請を出した。

Blockchain.comのPeter Smith最高経営責任者(CEO)氏によると、Three Arrowsとの4年に渡るビジネスの中で約950億円(7億ドル)強の融資が行われ、返済されてきた。しかし、3ACが債務不履行に陥った段階で、仮想通貨と米ドルで約2億7000万ドルの未返済融資が残ったという。

関連:初心者でもわかる仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」とは|企業の特徴や運用実態を解説

Blockchain.comとは

1日付のブルームバーグによると、Blockchain.comの広報担当者は、Three Arrowsのすべての資産の即時清算を実施したことを明かしている。「3ACが業界全体を騙したと考えている。彼らに対し法的に最大限の説明責任を追及する」と加えた。

債務問題で不安を感じた多くの投資家が資金を引き出している。顧客資産で運用していたCelsius Networkを始め、Babel FinanceやCoinFLEXといった仮想通貨企業の手元の流動性が圧力を受け、顧客資金の出金停止に至っている。

3月に約1.9兆円(140億ドル)の評価額で資金調達を行った英国企業のBlockchain.comは、「強い財務状態で流動性と支払能力を維持しており、顧客は影響を受けない」と加えている。公式サイトによると、ウォレットDL数は累積8200万に上り、3,700万のKYC(本人確認)済みユーザーを有している。

関連:「市場に漂う清算リスクの暗雲」、仮想通貨企業の債務問題・救済策まとめ

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