今晩のCPI発表に高い関心 警戒ムード漂う中、ビットコイン19000ドル台前半で推移
仮想通貨市況
12日の米株式市場ではダウが3日続落。前日比192ドル(0.6%)安となった。
本日21時半に発表される「米消費者物価指数(CPI)」の発表を控え、様子見ムードが強まっている。ウクライナ情勢とロシアへの経済制裁を巡り、欧州の資源高・景気後退懸念も相場の押し下げ要因に。
40年ぶりのインフレにある指数の高止まりが確認された場合、FRB(米連邦準備制度)の金融引き締め圧力につながるとの警戒感は根強い。
5月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比8.6%上昇しており、40年5ヶ月ぶりの高水準に達した。今月26、27両日のFOMC会合では0.75ポイントの追加利上げが見込まれるが、1ポイントまで引き上げた場合はリスク資産の下落が加速する可能性が高い。
一方、市場予想が外れてネガティブサプライズとなった前月のCPI結果発表とは異なり、今回は米大統領報道官が「6月度CPIは非常に高い水準が予想される」「ウクライナ戦争の影響で、ガソリン価格や食料品の価格上昇に繋がっている」などと異例の言及を行い、市場に織り込ませに行っているとの観測もある。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比-2.1%の268万円(19,522ドル)で推移している。
オンチェーンデータ
Glassnodeのデータによれば、ここのところ仮想通貨取引所への送金量が再び増加傾向にある。直近では+3,720万ドルの純流入となった。断続的なインフロー拡大は売り圧力の増加を示唆する。
データ分析企業CryptoQuantに投稿したCoinSignal365氏は、含み益比率を示す「Bitcoin: Supply in Profit (%)」のデータを根拠に、過去の下落トレンドにおける相場の底である40%前後が目安になるとの見解を示した。現在は52%台にある。
Glassnodeの最新レポートでは、ビットコインマイナー(採掘業者)と長期保有者に強いストレスが掛かっていることを報告している。
ビットコインの長期保有者(LTH:Long term holder)の月平均SOPR(Spent Output Profit Ratio)は0.67の低水準に達し、は平均-33%の損失で売却していることを示す。
平均Cost Basisは22,300ドルで市場評価額からだと約-10%水準であるが、高値掴みしたホルダーの損切りが押し下げているものと見られる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します