米上場のマイナー、ビットコインマイニング機器を大量購入
割安価格で大量購入
米マイニング企業のCleanSparkは14日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)向けのマイニングマシン「Whatsminer M30S」を1,061台購入したことを発表した。
同社は、持続可能(サステイナブル)なビットコインマイニングと、家庭向けのエネルギー技術開発に取り組む企業だ。NASDAQにも上場しており、米国ネバダ州に拠点を構えている。
購入した機器は、マイニング企業Coinmintが事業に使用していたもの。数か月前のスポット市場価格よりも、大幅に割引された価格で購入された。
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記事執筆時点では、マイニングマシンの購入に使用した費用の詳細は公開されていないが、発表によると、合計で毎秒約93PH/s(ペタハッシュ/秒)のハッシュレートを生み出すという。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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2カ月連続の大量購入
CleanSpark社は6月にもビットコインマイニング用のマシン「Antminer S19 XP」を1,800台購入。2か月間連続で、マイニング設備を大幅に増強した形だ。
一連の買収によって、同社の演算能力は過去6カ月間で47%増加。月間のビットコイン生産量は50%増加した。
CleanSpark社のZach Bradford最高経営責任者(CEO)は、マイニングマシンの増強について以下のようにコメントしている。
この市場には前例のないビジネスチャンスが存在する。採掘設備を拡張しつつマシンを共同配置する、試行錯誤を重ねたハイブリッド・アプローチによって、(弊社は)持続的に成長しているビットコインマイニング能力により、ビルダー向けになりつつある市場において、絶好のポジションに位置している。
採掘コストは低下傾向か
仮想通貨市場の下落に伴い、ビットコインの採掘コストは低下を続けている。米金融大手のJPモルガンは、6月初旬の24,000ドルに対して現在は約13,000ドルに低下したと報告している。
コスト低下の要因はビットコイン・ネットワークの「電気使用量の減少」にあるという。その一方で、ビットコインのハッシュレートは過去数ヶ月に極端に減少してはいない。このことから、マイナーの採掘効率が向上している可能性があると同社のストラテジストは指摘した。
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