ビットコインの生産コスト
米金融大手JPモルガンは13日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の生産(採掘)コストが、6月初旬の24,000ドル(333万円)に対して現在は約13,000ドル(180万円)に低下したと報告した。
BTC価格にネガティブな影響を与える可能性を指摘する一方で、マイナーの生産効率の向上も指摘されている
⚠️ JPMorgan: industry average cost of #BTC mining dropped to $13,000 (from $24,000 previously). pic.twitter.com/0qiU4xPDhY
— Alt Crypto Gems (@AltCryptoGems) July 14, 2022
投資家向けの書簡で記載されたグラフによると、ビットコイン(BTC)の生産コストは6月初旬の約2万4,000ドルから約1万3,000ドルに低下している。執筆時点のBTC価格は、20,675.ドル(287万円)だ。
JPモルガンのストラテジストによると、生産コスト低下の要因はビットコイン・ネットワークの「電気使用量の減少」にあるという。この指標はBTCの実勢価格とハッシュレートで算出される「CBECI(ケンブリッジ・ビットコイン電気消費量指数)」に基づいている。
電気使用量が減少する一方で、ビットコインのハッシュレートは過去数ヶ月に極端な減少を示していない。このことから、マイナーの採掘効率が向上している可能性があるとストラテジストは指摘する。
効率の悪いマイナーが大量に離脱するのではなく、より効率の良いマイニングマシンを設置することで、収益力を維持しようとマイナー達は努めている。
収益性の改善は、流動性向上やデレバレッジのためにマイナーが保有するビットコインを売りに出す勢いを軽減する点でポジティブだ。しかし、生産コストの低下は市場参加者にネガティブな印象を与えると、ストラテジストは締めくくった。
生産コストは、弱気市場におけるビットコイン価格レンジの下限として一部の市場参加者に認識されてきた。そのため、今後のビットコイン価格の見通しにとってマイナスと受け止められるかもしれない。
直近では、弱気相場にバランスシートを強化するため、ビットコインマイナーが保有するBTCを売却する事例が続いていた。
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7月5日に米テキサス州に拠点を置く大手マイニング企業Core Scientific社は、22年6月度に230億円(1.67億ドル)相当のビットコイン(BTC)を売却したことを発表。英国のマイニング企業のArgo Blockchainもまた、6月度に21億円分のビットコイン(637 BTC)を売却したことを発表していた。
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