BTCの大量売却余儀なく
米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業のCore Scientific社は5日、22年6月度に230億円(1.67億ドル)相当のビットコイン(BTC)を売却したことを発表した。
Core Scientificは2022年6月において累計1,106BTCを採掘。日間平均では36.9BTCの採掘に成功しており、前月比では1日辺り平均5BTC採掘量が増加した。
一方、6月においては230億円(1.67億ドル)相当の7,202BTCを売却。平均売却価格は23,000ドルだった。
なお、6月30日時点では同社のBTC保有量は1,959BTC。バランスシート上の現金残高は約180億円(1.32億ドル)にのぼる。
Core Scientificは米テキサス州に拠点を置く大手マイニング企業。22年1月にSPAC合併という形で、ナスダック上場を果たしたばかりだ。
Now trading on @Nasdaq as $CORZ. Congratulations and thank you to our entire team, stakeholders, and partners that helped build @Core_Scientific into what it is today.
— Core Scientific (@Core_Scientific) January 20, 2022
#CORZListed pic.twitter.com/BRjnQF31hj
同社は毎日の採掘量をSNSで報告する独自の仕組みを採用しており、
関連: 北米大手ビットコイン採掘企業、ナスダックにSPAC上場
相場急落の波紋続く
直近の仮想通貨市場および金融市場の低迷を受け、多数の仮想通貨企業が苦境に立たされている。
上場企業として初のBTC保有を実行し、下落相場の中でもビットコイン買い増しを続けるマイクロストラテジー社も22年3月にはビットコインを担保に250億円をSilvergate銀行から調達したばかり。コインベースやジェミナイなどの大手仮想通貨取引所も人員削減を余儀なくされている。
また、セルシウスや3ACなどのように、下落相場に耐えられず、債務不履行となり、他社からの融資提供や買収が必要となる企業やプロジェクトも多数出ている。レンディング大手のNexoも財務リストラの可能性が示唆されていたVauldとタームシートを締結して、買収に向けた準備が進む。
一方で、先月米テキサス州の州都オースティンで開催された大型カンファレンス「Consensus 2022」では、多数の有識者が今回の弱気相場(≒「仮想通貨の冬」)を一時的なものと形容。過去の弱気相場とは異なり、企業やプロジェクトの資金調達が継続している点を前向きな材料として挙げていた。
関連:「仮想通貨市場は今後どうなる?」Consensus2022で複数の有識者に聞いた