マイナーが相次いでBTC売却
英暗号資産(仮想通貨)マイニング企業のArgo Blockchainは7日、6月度に21億円分のビットコイン(637 BTC)を売却したことを発表した。
Argoは、ビットコインマイナーが弱気相場においてバランスシートを強化するために採掘したビットコインを売却している一社だ。最近はBitfarmsやCore Scientific、Riotといった大手マイナーも一部のビットコインを売っていた。
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Argoの報告によると、同社は5月に124 BTCを、6月には179 BTCを採掘した。637 BTCの平均売却価格は1BTC=24,500だった。また、売却後は6月30日付で1,953BTCを保有しているという。
Argoは昨年テキサスの工場を建設するためにGalaxy DigitalとNYDIGから計7,000万ドル以上の融資を受けたが、現在の債務は2,200ドルまでに減少。同社のCEOはビットコインの下落が継続していても、清算を回避するための流動性を十分に確保していると説明した。
相次ぐマイニング企業のBTC売却
21年5月に中国政府が仮想通貨マイニングに対する禁止令を再び発令して以降、米国を中心とした北米地域でのマイニング事業が活発化している。英ケンブリッジ大学の統計では、米国のハッシュレートは22年1月時点で中国を抑え、世界1位の座に上り詰めていた。
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一方で、5月以降は金融市場全体の不況やインフレ、3AC(Three Arrows Capital)やCelsiusなど多くの仮想通貨投資プラットフォームの債務不履行に陥れた相場の急落は多数のマイニング企業に影響を及ぼしている。
米マイニング企業のCleanSparkも6月中に採掘した339BTCの内、総額840万ドル(11億円)分の328BTCを売却。Riot社も6月に採掘した421BTCの内、620万ドル(8億円)相当の300BTCを販売していた。
また、マイニング大手でナスダックなどにも上場しているCore Scientificに至っては保有量の9割近い7,202BTCを売却。
一般的には、採掘したビットコインをHODLする採掘企業もBTCを売却せざる状況になってきた。
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なお、仮想通貨分析企業CryptoRankによれば、ビットコイン採掘におけるは21年11月以降、段階的に減少しており、インフレの悪化が採掘企業の事業に悪影響を及ぼしていると考察している。
📊#Bitcoin Mining Revenue by Month
— CryptoRank Platform (@CryptoRank_io) June 28, 2022
Mining profitability is on the decline due to the fallen Bitcoin price. So far, June might turn out to be the worst month for $BTC miners in a long time, and rising inflation is making the situation even worse.
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