Messari、仮想通貨データ企業を買収 業界の資金調達情報もリアルタイムで提供へ
Messariがデータ企業を買収
大手暗号資産(仮想通貨)分析企業Messariは2日、ブロックチェーン系データ企業Dove Metricsの買収を発表した。同社の提供する資金調達に関するデータは今後Messari上で確認可能となる。
Dove Metricsは仮想通貨投資企業やDAO、投資ファンドの資金調達やエンジェル投資家のポートフォリオを監視するデータベースを提供。業界の資金調達状況を把握できるデータを統計している。
Messariは既にダッシュボード上でDove Metricsのデータを提供開始。8,000以上の企業やファンドなどが実施した3,000以上の投資ラウンドに渡るデータがアクセス可能だ。
同社の買収について、Messariのマーケティング・インテリジェンス部門責任者のEric Turner氏は以下のようにコメントした。
Messariは、仮想通貨業界の透明性を向上させるため、この領域を牽引するデータ・分析プロバイダを目指している。
Dove Metricsの買収は、業界最前線のトレンドを監視するツールの提供を可能にするだろう。リアルタイムでどのプロジェクトを投資家が支援しているか分かるようになる。
Dove Metricsの共同設立者であるPierre Chuzeville氏は、クリプトの資金調達に透明性をもたらすために同社を設立したと説明。Messariとともにさらにプロダクトを拡大していくことに意欲を示した。
なお、Dove Metricsの買収額などの詳細は明らかにされていない。
業界の資金調達情勢
2022年2Q(4〜6月)に発生したテラ(LUNA)崩壊や相場の急落を受け、多数の大手投資ファンドやDeFi(分散型金融)プラットフォームが連鎖的に債務不履行や破産を表明。この影響で、2020年以降から右肩上がりに伸びていた業界への資金流入に歯止めがかかっていた。
2022年上半期におけるWeb3系団体の資金調達総額は175億ドル(約2.4兆円)を記録。地域別では北米での資金調達が最も活発だった。
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また、VC企業からの資金調達も2020年以来初の減少を記録した。ただ、下落相場の中でも資金調達を続ける企業は継続して散見されており、過去の下落相場との相違点として有識者から頻繁に取り上げられている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します