NFT関連企業Dapper labs、ロシア関連口座を凍結 対露制裁受け
ロシアへの追加制裁を受けて資金凍結
カナダのブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)関連企業Dapper Labsは、ロシアと関係のあるアカウントの資金を凍結した。この動きは、ウクライナ侵攻に関する対露追加制裁を受けたものだ。コインポストの提携メディアThe Blockが報じた。
Dapper Labsは、「NBA Top Shot」など人気のNFT(非代替性トークン)や独自のブロックチェーン「フロー(FLOW)」を手掛けていることでも有名な企業だ。
背景にあるのはEUによるロシアへの追加制裁である。EUは6日、仮想通貨に関して金額にかかわらず、ロシアに関連するウォレット、アカウント、カストディサービスのすべてを禁止すると発表した。
これまで、これらのサービスについて約140万円(1万ユーロ)までは制裁対象から外れていたが、金額的な条件が撤廃された形だ。
これを受けて、Dapper labsはロシアと関連付けられるとみなされた一部ユーザーに対して、書簡を送信。「新たな制裁が当社のサービスに直接影響している」と事情を説明し、該当するユーザーは自分のNFTを閲覧することはできるが、他のウォレットに売却したり転送したりすることはできなくなった状態だと述べた。
また、これから状況を注視し続け、更新があれば報告するとしている。ユーザーの被る不都合についても謝罪した。
資産を凍結されたあるユーザーは、「これはフェアな行いなのだろうか?」と疑問を投げかけている。The BlockはDapper Labsにこの件についてコメントを求めたが、現時点でまだ返答はない。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
▶️仮想通貨用語集
準軍事組織が仮想通貨寄付募る
ブロックチェーン分析企業チェイナリシスは7月に、親露準軍事組織が仮想通貨で寄付金を集めているとのレポートを発表している。多くのグループやその支持者が、ソーシャルメディア上で仮想通貨による寄付を募り、軍事品の購入や偽情報拡散のためのクラウドファンディングを行っていると報告した。
チェイナリシスによると、ウクライナ侵攻が始まって以来、54の組織が主にビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)で、合わせて約3億円(220万ドル)相当以上を受けとってきた。USDT、ライトコイン(LTC)やドージコイン(DOGE)、ステーブルコインUSDTの形でも、ある程度寄付があった。
寄付を集めたアカウントの約半数は、ウクライナのドンバス地域、特にドネツクとルハンスク地域の民兵への支援金を募集していた形だ。こうした組織は、寄付金により医療品、ドローン、武器、防弾チョッキ、ラジオやSIMカードなど様々な軍備品を調達したと発表している。
チェイナリシスはレポートの最後で、親露グループへの仮想通貨寄付は、ウクライナに寄付された巨額の仮想通貨に比べると見劣りするとも指摘した。また、ブロックチェーンの利点について次のように述べている。
パブリックブロックチェーンは透明性が高いため、これらの口座の支払いにおける各送金を追跡することが可能である。これにより、法定通貨の調査からは得られないような、親ロシア派の活動に関する洞察を得ることができる。
ウクライナ政府と、ウクライナの民間団体は2月以来、人道支援や戦争努力のための支援金として、計180億円以上の仮想通貨寄付金を受けている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します