仮想通貨マイニングのCore Scientific、1,000億円超の債務抱える 株価は前週比-80%

米保険大手MassMutualなどが債権者

財政悪化に陥った米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Core Scientificは、米保険大手MassMutualや仮想通貨融資大手BlockFi、投資銀行B.Rileyなどの企業を最大の債権者としている。

その他にも、仮想通貨金融サービス会社B.S.S.A.、仮想通貨金融会社NYDIG、デジタル資産銀行Anchorage Digitalの親会社であるAnchor Labsなど、多くの企業に対して合計約1,470億円(約10億ドル)の借金を抱える形だ。

Core Scientificは、26日に証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、財務状況悪化により、10月下旬から始まる債権者への支払期限に間に合わず、破産を検討する可能性があると述べている。債権者企業へ何らかの影響が及ぶことも考えられる状況だ。

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債権者のコメント

Core Scientificは6月30日時点で、B.Rileyに対して約111億円(7,500万ドル)、MassMutual Baringsに約97億円(6,560万ドル)、BlockFiに約90億円(6,070万ドル)の債務を負っていた。なお、Baringsは、MassMutualが所有する投資運用会社である。

債権者企業の1つBlockFiは、2022年春以降はマイニングセクターの融資を引き受けておらず、マイニング事業を担保とする融資がポートフォリオに占める割合は小さいとした。同社のYuri Mushkin最高リスク責任者は、次のようにコメントしている。

BlockFiは、潜在的な貸し倒れリスクに対応するための資本を保有しており、これにはマイニング金融事業も含まれている。

さらに、当社の信用リスク管理チームは、ビットコイン(BTC)マイニングセクターを綿密に監視し、融資先企業と定期的に話をしている。

他の債権者企業Trinity Capitalは、「この出来事は現在、非常に流動的であり、私たちはCore Scientificと協力して、すべての利害関係者のために実行可能な解決策を見つけようとしている」と説明した。

コインポスト提携メディアThe Blockの分析によると、Core Scientificが抱える負債のほとんどは、2025年に満期を迎える。

財政悪化の背景

Core Scientificは、資本の見直しやアドバイザーの雇用、資金調達など多くの対策を検討中だが、支払義務を遂行できずに債務不履行に陥ったり、破産申請を行ったりする可能性もあると報告している。

Core Scientific社は米テキサス州に拠点を置く大手マイニング企業。仮想通貨市場が停滞する中、7月には投資ファンドB. Rileyから、約147億円(1億ドル)の資金枠を獲得していた。2年間で1億ドルを上限として、株式をB. Rileyに売却・発行する権利を得るものだった。

Core ScientificのLevitt CEOは6月時点で、「資本市場の低迷、金利の上昇、インフレへの対応など、マイニング業界は多大なストレスにさらされている」ことに言及している。

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過去にも不況を乗り切った経験から「現在の市場の混乱を乗り切ることができる」と述べていたが、その後「長期に渡るビットコイン価格低迷」「電気代高騰」「セルシウスネットワークの破産」などが原因となって財政が悪化した形だ。

Core Scientificは、19日に裁判所に提出した書類の中で「セルシウスは連邦破産法第11条の適用を申請して以来、電気代値上がり分の支払いを拒否している」と訴えていた。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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