100億円以上の株式を売却する権利
ナスダック上場の米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Core Scientificは21日、投資ファンドB. Riley Principal Capitalとの間で、約137億円(1億ドル)の普通株式購入契約を締結した。
この契約は、Core Scientific(コアサイエンティフィック)が、2年間で1億ドルを上限として株式をB. Rileyに売却・発行する権利を得るものである。なお、権利はあるが義務はない。条件付きで資金枠を得た形だ。
Core Scientificは、B. Rileyが購入契約に基づきCore Scientificの株式購入を約束する対価として、普通株式約57万株をB. Rileyに発行した。
Core ScientificのMike Levitt CEOは、この契約について次のように述べている。
不利な市場環境の中で、追加資本へのアクセスを確保することは、当社の流動性を高め、戦略的な選択を拡大する。B. Rileyとの契約は、当社の成長と株主価値の創造に貢献する重要な追加資金源だ。
また、同社はセルフマイニングとコロケーションサービスに重点を置きつつ、バランスシートの強化と業務合理化を続けているという。なお、コロケーションとは設備の整ったデータセンターに、他社のサーバーや機器などをホストすることである。
Core Scientificは米テキサス州に拠点を置く大手マイニング企業。テキサスの他、ジョージア、ケンタッキー、ノースカロライナ、ノースダコタの各州でデータセンターを運営しており、2022年後半には、オクラホマ州でも事業を開始予定である。
マイニング企業によるビットコイン売却
米仮想通貨取引所コインベースの報告によると、現在は、市場低迷を受けて、過去1〜2年の間に事業を拡大していた多くのマイニング企業が、事業の再構築を迫られている状況だ。
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こうした状況についてCore ScientificのLevitt CEOは、6月の事業報告の際、次のようにコメントしている。
資本市場の低迷、金利の上昇、インフレへの対応など、この業界は多大なストレスにさらされている。当社は過去に不況をうまく乗り切ったことがあり、現在の市場の混乱を乗り切ることができると確信している。
Levitt氏は同社が流動性強化に取り組んでいるとも続けていた。また、2022年末には同社のデータセンターで30 EH/s(エクサハッシュ/秒)を超えるハッシュレートの創出が可能になる見込みだという。EH/sは、1秒間に100京回の演算ができる能力である。
6月にはデータセンターの容量やセルフマイニングの資産を増やし、引き続き顧客のためにコロケーション型ASICサーバーを追加配備したと報告している。8月に予定される決算説明会では、より詳細な情報が示される予定だという。
6月のビットコイン販売による収入は、主にASICサーバーの支払い、データセンターの能力増強のための設備投資、借入金の返済に充てられた。今後も、営業費用の支払い、成長資金、債務償還、流動性の維持のために、自社で採掘したビットコインを販売していくとしている。