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ビットコインマイナーの売り圧などを分析──米コインベース

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨マイニングの現況と将来予測

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは6月28日、ビットコイン(BTC)マイニングの現況を分析するブログ記事を発表した。市場停滞を受けたマイニング事業者の活動変化や、業界再編成が予測されることなどを論じている。

まず、一部で浮上している「マイナーがビットコインを売却することにより大きな売り圧力が生じるのではないか」という見方に異議を唱えた。

コインベースは今回の分析の前提として、ネットワークのハッシュレートが低ければ、採掘の難易度が低くなり、収益性が高くなることを指摘。つまり、 「ネットワークのハッシュレートにはバランスが存在しており、マイニングの難易度が下がると、マイニング活動の回復が促進される」という。

ハッシュレートとは

マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。

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さらに、コインベースのリサーチャーは「現在のように市場が混乱し、ビットコイン価格が下落する時期には、利幅が全体的に圧縮され、ビットコインを売る採掘業者が自然に多くなる」とした上で、次のように分析した。

しかし、仮に毎日新規発行されるビットコインの全額が直ちに市場で売られたとしても、1日の売り圧力は900BTC(ビットコインの時価総額の約0.005%)にしかならないだろう。

さらに、主要取引所におけるビットコインの1日の平均取引量(ここ数日は6万~9万枚)に対する割合を考慮すると、1日の新規発行量は総取引量の1.0~1.5%にしかならない。

コインベースによると、より重要なのは、市場からの完全撤退やビットコイン準備金の一部の清算を余儀なくされるマイニング事業者が、より大きな売り圧力を発生させる可能性であるという。

業界再編成の可能性が浮上

現在は、過去1-2年の間に、ビットコイン価格の上昇を前提として事業を拡大していた多くのマイニング企業が、事業の再構築を迫られている状況だ。コインベースは、マイナーが、経費やローンの支払い、マージンコールに対応するためにビットコイン準備金の一部を清算していると指摘した。

このため、近い将来の予測として、不採算事業者が撤退・統合され、マイニング業界全体に再編成の機会をもたらす可能性があるという。結論部分で、コインベースは次のようにまとめた。

多くのマイニング事業者は、価格の下落に伴い、保有するビットコインの一部を清算するというアプローチをとっている。採算の取れない採掘業者が撤退することで、ハッシュレートは低下し、難易度は下方修正され、マイニング活動を支える新たなバランスが生まれると予想される。

コインベースによると、現在は、売却や活動停止を進めるマイナーが増加しており、それに伴ってハッシュレートとマイニング難易度も低下傾向にある。この低下が停止して横這いになった時は、底打ちと新たなプロセスの開始である可能性があるという。

ビットコイン売却事例

コインベースも言及したように、収益性低下のために、生産したビットコインの売却割合を増やすマイナーは増加傾向だ。

Arcaneリサーチによると、2022年1月から4月までに、マイニング企業はビットコイン生産量の30%を売却していた。5月にはさらに割合が増え、生産した全てのビットコインを売却している状況だという。

具体例としてBitfarmsは、生産したビットコインをすべて手元に保有しておくという戦略を転換し6月に1週間で85億円相当のビットコインを売却。5月には、Core Scientificがビットコイン保有量の20%を売却して資金調達に充てており、ArgoとRiotも月産分の一部を清算開始した。

こうした中、業界再編成の兆候もみられる。仮想通貨取引所FTXのサム・バンクマン・フリードCEOは、仮想通貨マイニング企業の買収も前向きに検討していると話した。

関連FTX、仮想通貨マイニング企業の買収も視野に

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