ビットコイン売り優勢、CPIとFOMC発表迫り警戒感高まる
マクロ経済と金融市場
前週末9日の米NY株式市場では、ダウは前日比305ドル(0.9%)安で取引を終えた。
日本時間15日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)では50bpの利上げと、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は4.25%〜4.5%が見込まれる。
次回FOMCで50bpの利上げに留まった場合、過去4会合連続で通常の3倍となる75bpの利上げとなっているためペースとしては減速となるが、大幅利上げが続けば景気が冷え込むことへの懸念が強まる。FRBのパウエル議長は早期の政策転換には否定的かつ慎重な姿勢を示してきたことから、金融引き締めフェーズの長期据え置き懸念も燻る。
13日22時半にはCPI(米消費者物価指数)発表を控えることもあり、予想を超えるインフレ高止まりが確認され得るとして投資家の警戒要因となっている。今年の米国株式市場はリーマン・ショック以来の下落幅であることから、年末に向けた節税売り(タックスロス・セリング)も相場の下押し圧力を高めるとの指摘もある。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.2%安の16,993ドル。
CPIとFOMCへの警戒感強まり米株指数が冴えない中、BTC価格も上値が重い。レンジ上限の17,300ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を抜けられずに反落しており、戻り売りが優勢。
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アルトコイン相場
金融相場全体が冴えない中、The Open Network(TON:旧Telegram Open Network)が前週比13.7%、前月比34.7%と逆行高に。
オープンソースコミュニティのTON Foundationは11月27日、暗号資産取引をサポートするTelegram botサービスの提供を発表した。ウォレット拡張機能を用いることにより、Telegramアプリ内でP2P(Peer to Peer)向けの仮想通貨売買が可能となった。
非営利団体によって運営され、高い匿名性とセキュリティを有するメッセージングアプリ「Telegram」は暗号資産業界でも長年重宝されてきた。
今月6日には、携帯電話に搭載されるSIMカード(個人情報識別用カード)なしでアカウントを作成できるようアップデートされた。
今月1日には、Pavel Durov CEOが分散型取引所(DEX)および自己管理型ウォレットの開発計画を明かしたほか、今夏にはユーザー名のNFTマーケットプレイスの構想を示唆するなど、Web3分野への前向きな姿勢も評価され、関連トークンの思惑買いにつながっているものと見られる。
FTXおよびアラメダ・リサーチの破綻で大半の銘柄がネガティブに反応する中、数少ない恩恵を受けた銘柄としてはTrust Wallet Token(TWT)も挙げられる。
TWTは前週比10%高、前月比123%高と高騰。直近でも高値更新が続くなど高い関心を維持している。中央集権型取引所の信用問題が大きく波及したことで、デジタルウォレットで自己管理するセルフカストディへの関心が急速に高まったことが背景にある。
Trust Walletは、MetaMaskと同様に広く普及する暗号資産(仮想通貨)主要デジタルウォレットの1つ。FTX崩壊後にバイナンスのCZが「自己管理の重要性」を説いたことでも動意付いた。
Trust Walletは、18年8月にバイナンスに買収されている。
また、先週にはAI言語モデルの「ChatGPT」流行の影響で一部のAI(人工知能)関連トークンに思惑買いが集まった。
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