CoinPostで今最も読まれています

ビットコインのメジャーSQに向け、ポジション再調整は起こり得るか|仮想NISHI氏寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

ビットコインマーケットレポート(12月8日~12月14日)

ビットコインは、FTXトレーディンググループの破綻に端を発する連鎖破綻(FTXショック)により、11月上旬から中旬にかけて大きく下落した。その後11月末ごろに一旦底を打ったのちに若干反発し、現在はレンジ相場に移行しているが、全体的にはかなり売られすぎの状態となっている。執筆時点での価格は16,800ドル付近。

足もと

12月15日のFOMC政策金利発表を控え様子見となっている。ビットコインのアクティブOIは1億を下回っており(下画像赤枠)、かなり少ない状態となっているため、デリバティブ市場を起因とする端的な急落は起こりにくくなっているといえる。

ファンディングレートは全体的にはマイナスの期間が長く(下画像青枠)、ポジションはショートが多い状況が予想される。

外部環境

米株価指数との相関が高い状況が2月ごろから約10か月にわたり続いていたが、11月上旬のFTXショック以降は相関が薄くなり、さらに直近ではやや逆相関(S&P500、▲0.44、下画像赤枠)となっており、ビットコインは独自の動きとなっているといえる。

米国10年債利回りの上昇は11月中旬ごろから一服したものの、2年債利回りが高止まりしており(下画像青枠)、逆イールド(米国10債利回りと2年債利回りの差)も大きくなっており、暗号資産市場全体への外部環境からの逆風は依然として強い状況にある。

先物・デリバティブ市場

CMEでは12月6日の出来高が3,951枚と、4千枚を下回った。2022年の出来高4千枚割れは、4月14日(3,363枚)と3月17日(2,932枚)の2回のみであり、いずれもその後1週間は上昇トレンドを見せた。未決済建玉は、FTXショック以前(赤線)よりも高い状況であり、12月SQに向けて調整が行われやすい状況にある。

出典:CME

デリバティブ市場

ほとんどの取引所で現物よりも安い価格で取引されており、かなり売られすぎの状況となっている。また、現物価格より先物価格が安い状況(バックワーデーション)となっており、需給は引き締まっているとみられる。

オプション市場

プットとコールの比率であるPCRレシオは12/5から低下しており、(下画像赤枠内黄色線)、現物渡しで取引される市場では強気が見て取れる。現物を多く持つマイナーが弱気から強気に転じつつある可能性がある。未決済建玉(OI)はかなり大きい状況であり、現状の価格から離れている12月30日権利行使のポジションが多いことから、権利行使日に近づくにつれてボラティリティが高まる可能性が高まっている。

現物市場

現物市場の成行売買状況は、売りと買いがほぼ拮抗した状態にある。出来高は少ない状況にある。

ハッシュレート

ハッシュレートは12月5日に難易度が低下に調整(▲7.32%)されたものの、依然として高水準にある。次回難易度予想は+18.54%の難化予想。

直近のクリプト指標

12月10日 米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

12月12日 Solana Neon EVMメインネットローンチ、英GDP発表

12月13日 米消費者物価指数(11月結果)

12月15日 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表

総括

FTXショックによる価格の下落が一服し、直近では出来高は減少しており「売り枯れ」の状態にある。ただし内部動向をみると全体的に売られすぎの状態にあり、四半期に一度のビットコインのメジャーSQに向け、ポジションの再調整が起こる可能性がある。

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
「暗号資産もSBI」を掲げる、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金基金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア