今週(12/3(土)〜12/9(金))の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
12/3(土)〜12/9(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は235万円周辺を背に底堅い推移となっている。週明けにライトコイン(LTC)の対ドルが節目の80ドル上抜けに成功し235万円を試したBTCだったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週に迫る中、先週の雇用統計に続き、11月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り前月から改善し、利上げペース減速期待の後退や利上げ長期化懸念が再燃し、相場は上げ幅をほぼ掻き消した。
一方、BTCは節目の1.7万ドル水準となる230万円周辺でサポートされると、ディフィカルティの大幅下方調整もあり、同水準で下げ止まった。
週央には再び上値を試す場面もあったが、世界的景気後退懸念でアジア市場が急反落したことでリスクオフが波及。米国債利回り低下を受けた外国為替市場でのドル円相場の下落も相場の圧迫材料となり、BTCは一時的に230万円を割り込んだ。
一方、足元では、9日夜の米11月生産者物価指数(PPI)の発表を前に失業保険新規申請件数が前週比で増加し、相場は反発している。
先週の雇用統計は、先行指標を裏切って改善となり、相場は8日安値(17,500ドル)回復に失敗したが、節目の17,000ドル周辺が相場のサポートとなっており、底堅い推移が続いている。
FOMCを目前に9日は米生産者物価指数(PPI)、13日に消費者物価指数(CPI)とインフレ指標の発表が控えており、結果次第ではFOMCまでに保ち合い上放れに成功する可能性もあるだろう。
さて、来週15日未明にはFOMCの結果が出る。今回の会合では利上げ幅縮小が一つの焦点となるが、四半期毎に発表される経済見通し(Summary of Economic Projections)にも要注意だ。11月から利上げの最終到達点(ターミナルレート)に関する言及がFOMCメンバーから既に出始めており、来年末時点の政策金利着地見通しが9月の4.6%からどれだけ引き上げられるかが注目だ。
FF金利先物市場では、来年夏までに5%、次いで5.25%で政策金利がピークに達する予想が大勢となっており、見通しがこれらの水準を上回れば、かなりの混乱を巻き起こす可能性があるだろう。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコインは中期レンジ下限の1.76万ドル周辺に注目