仮想通貨プロジェクト、2022年は90超が閉鎖・活動停止か
仮想通貨プロジェクトの動向
暗号資産(仮想通貨)のプロジェクトは2022年、多くが閉鎖や活動停止に追い込まれた。
仮想通貨プロジェクトのデータを提供するRootdataは最新のデータで、今年は97のプロジェクトが破産や閉鎖に追い込まれたと報告。この数字は、ウェブサイトが長期に渡って更新されていないプロジェクトも含む。本データは10月27日付と記載されているが、11月に破綻したFTXなども入っている。
2022年、仮想通貨業界で最も大きな注目を集めたのはFTXグループの破綻。RootdataもFTX、同社米国部門FTX US、姉妹企業アラメダリサーチをリストに上げた。FTXグループには日本の取引所FTX Japanもあり、日本でも一般メディアが破綻を報道するなど、注目度は非常に高い。
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もう1つ仮想通貨市場に大きな影響を与えたのはテラ騒動。Rootdataは今回のリストに、ネームサービスの「Terra Name Service」やノンカストディアルウォレットを提供するAliceなど、テラ関連のプロジェクトも上げた。
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その他のプロジェクト
仮想通貨業界は今年、テラ騒動とFTXの破綻から甚大な影響を受けた。
テラプロジェクトに出資していた仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital(3AC)」は今年に破産。その後、3ACの債務不履行の影響を受け、仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalが破産申請を行うなど、影響が波及した。仮想通貨融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)も含め、破産が連鎖している。
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またFTXの破綻は先月、仮想通貨貸借サービス企業BlockFiの破産につながった。BlockFiの債権者には、FTX USも含まれている。
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他にもFTXやアラメダの破綻は個々のプロジェクトにも影響。ソラナ(SOL)基盤のDEX(分散型取引所)インフラプロジェクト「Project Serum」は先月29日、メインネットのプログラム機能不全とセキュリティリスクを考慮して、別途ローンチしたフォーク版の「Openbook」を発表した。
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Rootdataは上述した以外にも、先月プロジェクトの停止を発表した「Ardana Labs」をリストに加えた。Ardanaは、カルダノ(ADA)基盤のステーブルコインを開発していたプロジェクト。資金繰りが悪化したことと開発計画の目途が立たないことがプロジェクト停止の理由だ。Ardanaは、3ACから資金調達をしていた。
他には、旧フェイスブック(現メタ)が開発を主導していた仮想通貨の旧リブラ(新Diem)やウォレットのNoviも今年、正式にプロジェクトを終了している。
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なお、Rootdataは28日、数日後により詳しい分析レポートを公開するとした。
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