米採掘大手Core Scientific、12月はビットコイン生産量が増加
大寒波の影響は
米大手暗号資産(仮想通貨)マイニング企業コア・サイエンティフィック(Core Scientific)は9日、昨年11月と12月の事業結果を発表した。
ビットコイン(BTC)の自社生産(採掘)量は、11月が1,356BTCで、12月は1,435BTC。12月は大寒波の影響を受けたが、11月と比較して5.8%生産量が増加している。
関連:初心者でもわかる、ビットコインのマイニング(採掘)とは 3種類の方法を解説
先月米国では、比較的温暖な気候で知られるテキサス州ダラスでも氷点下12度が観測されるなど歴史的な寒波の影響を受け、従業員の安全や電力を確保するために、マイニング企業が一時稼働停止に追い込まれた。
関連:ビットコインのハッシュレートが一時30%以上急落、北米の記録的寒波で
その際コア・サイエンティフィックも、電力網を安定させるために電力消費削減計画に参加する予定だとし、その期間はビットコイン生産量の減少が予想されると説明していたが、11月よりは生産量が増加。自社採掘のハッシュレートは11月が15.4EH/sで、12月が15.7EH/sと微増している。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。「1秒間に何回計算ができるか」を表しており、マイニング機器の処理能力を表したり、仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示したりする際の指標として用いられる。
▶️仮想通貨用語集
また、同社がサポートする顧客のビットコイン生産量も、11月の795BTCから12月は931BTCに増加。一方で電力については合計で、「11月は5,828MWh、12月は1万7,179MWh削減した」という。
コア・サイエンティフィックは先月、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を行ったが、マイニング事業を継続しながら収益を債務返済に充てようとしている。
関連:10日朝の金融市場短観|米IT・仮想通貨関連株が全面高
生産量が減少した企業も
9日は、カナダ拠点のマイニング企業ハイブ・ブロックチェーン・テクノロジーズも12月の事業結果を発表。12月は213.8BTCを生産しており、同月一日分の平均生産量は6.9BTCだとした。11月の生産量は264BTCだったため、ハイブは12月の生産量が前月より減少している、
またハイブは、世界的な事業効率化を図るため、Bitmain製の機器3,570台を、21年よりも大幅な割安価格で購入したと報告。他にもマイニング効率を高めるため、米半導体大手インテル(Intel)と提携して、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)向けの独自マイニングシステム「HIVE BuzzMiner」をローンチしたとも説明している。
関連:米インテル、ビットコイン採掘ASIC機器の第2弾リリース
ハイブは9日時点で、2,348BTCを資金として保有。22年3Q(7月から9月)には事業拡大に使う現金を確保するため戦略的にビットコインを売却しており、弱気相場の間にマイニング機器を割安で購入していた。
関連:ビットコインマイナーの降伏はこれから?業界動向とBTC価格への影響を考察
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します