イーサリアムL2「zkSync」、zkEVMのメインネットを開発者に提供開始
仮想通貨の普及促進へ
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2「zkSync」は16日、現在開発を進めている「zkEVM」のメインネットが、「Fair Onboarding Alpha」の段階に到達したことを発表した。
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これまで「zkSync2.0」と呼んでいたこのソリューションの名称を、今後は「zkSync Era」にリブランディングすることも発表。Fair Onboarding Alphaに到達したことで、事前に登録したプロジェクトが、zkSync Eraにアプリケーションを展開できるようになった。
また、コードを完全にオープンソースにしたことも公表。これで誰でもコードを確認したり、コピーして利用したりできるようになっている。一方で、プロトコルは初期段階であり、コードのコピーはまだ推奨はしないとした。
Fair Onboarding Alphaでは、まだエンドユーザーはzkSync Eraにアクセスすることはできない。これまで段階的に進めてきたメインネットのローンチは、次が「Full Launch Alpha」の予定。ここで全てのプロジェクトやエンドユーザーが利用できるようになり、コードのコピーはここまで待つことを勧めている。
zkSyncのミッションは「個人の独立のために仮想通貨を一般層に普及させること」。このミッションを達成するために、多くの開発者やユーザーが使いたいと思うような技術を作り、イーサリアムを、価値の高い特質を維持したまま拡張させていくという。
これからも未来を見据え、仮想通貨に馴染みのない人も利用の対象にしていくため、今回は、普及の段階を表す「era(=時代)」を名称に採用。このリブランディングには「イーサリアムの新しい時代へ」といった意味も含まれているとした。これに合わせて「zkSync1.0」は「zkSync Lite」と呼ぶという。
現時点で次の段階はFull Launch Alphaだが、zkSyncのチームは現在ロードマップの更新に取り組んでおり、次の到達点についてもこれから改めて公表すると説明している。
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zkEVMとは
上記画像のロードマップの通り、zkSync Eraは昨年10月に、「Baby Alpha」という段階に到達。そこから約4カ月で、Fair Onboarding Alphaに辿り着いた。これまで多くのテストや監査を繰り返してきたと説明している。
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zkSync Eraは、開発競争が激化している「zkEVM」に分類されるソリューション。zkEVMは、ZKロールアップという技術を活用した、イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性や等価性を持たせたソリューションである。
今週はポリゴン(MATIC)も14日に、「Polygon zkEVM」のメインネットのベータ版を、3月27日にローンチすることを発表。他にもConsenSysやScrollらのプロジェクトがzkEVMの開発を進めている。
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ZKロールアップとは
ゼロ知識証明をスケーリングに応用した技術。オフチェーンでトランザクションを処理し、それをまとめてからメインのブロックチェーンに提出することで、ネットワークの負担を軽減する。
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