Web3の普及拡大へ
暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)は14日、スケーリングソリューション「Polygon zkEVM」のメインネットのベータ版を、3月27日にローンチすることを発表した。
Polygon zkEVMは、イーサリアム(ETH)の拡張性をサポートするソリューション。今回の発表で、ベータ版のメインネットのローンチは、ポリゴンとイーサリアムの両方にとって大きな飛躍になると説明した。
Roses are red 🌹
— Polygon (@0xPolygon) February 14, 2023
Violets are blue
Poems are hard 😩
Mainnet Beta is here
ON MARCH 27, Polygon #zkEVM launches the future of Ethereum scaling
🚢💜🚢💜https://t.co/OqSOYTn8Uv pic.twitter.com/kpXavea3ff
ネットワークの利用が多く、ブロックチェーンが混雑しやすいイーサリアムに対しては、ポリゴン以外にもzkSyncやScrollなど複数のプロジェクトがスケーリングソリューションを開発している。Polygon zkEVMは、ポリゴンチームが開発するスケーリングソリューションの1つだ。
ポリゴンとは
イーサリアムのスケーラビリティ問題に取り組むプロジェクト。最も知られている「Polygon PoS」のほか、「Polygon Edge」や「Polygon Zero」など複数のソリューションを開発している。
▶️仮想通貨用語集
関連:「GM Radio」 次回はイーサリアムL2開発企業Scrollが参加
Polygon zkEVMは、昨年12月に最終のテストネットをローンチ。そこから約2カ月で、ベータ版ではあるが、メインネットのローンチにつなげた。
関連:ポリゴン、L2「Polygon zkEVM」の最終テストネットをローンチ
メインネットのローンチに向けてPolygon zkEVMは、以下のような実績を重ねている。
- ウォレットの数が8万4,000超に到達
- ブロックを30万超生成
- 5,000超のスマートコントラクトを展開
- 2つのサードパーティの監査を実施
- トランザクションの大きなバッチの証明生成コストを0.06ドルまで削減
Polygon zkEVMの最終的な目標は、Web3の可能性を完全に解放し、世界の一般消費者にイーサリアムを普及させること。今後は数週間のうちに、ベータ版メインネットのさらなる詳細を発表すると説明している。
関連:米スターバックス、ポリゴン(MATIC)を採用 NFT活用してWeb3体験提供へ
Polygon zkEVMとは
Polygon zkEVMは、ZKロールアップという技術を活用したスケーリングソリューションである。イーサリアムのブロックチェーンの外でトランザクションを処理し、それをまとめてからイーサリアムブロックチェーンに提出。この仕組みで、イーサリアムの負担を軽減している。
関連:スケーリング問題の打開策「ロールアップ」とは|仕組みや注目点を詳しく解説
ZKロールアップは技術は優れているが、イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性をもたせることが難しいとされてきた。しかし現在では技術が発展し、複数のプロジェクトでプロダクトの開発が進行中。現在ではポリゴンのように、互換性よりもイーサリアムの開発環境に近いことを表す「等価性」を主張するプロジェクトも増えてきた。
EVMと等価性があるということは、開発者がDeFi(分散型金融)などのアプリケーションをより容易にPolygon zkEVM上に移植することができることを意味する。
今回の発表でポリゴンチームは「開発者は、イーサリアム上で動作するコードをコピー&ペーストして、Polygon zkEVM上で使うことができる」と説明した。
関連:SBI VCトレード、ポリゴン上のMATICが日本初上場