ビットコイン横ばい、ハッシュレートは過去最高値の350 EH/s水準へ
マクロ経済と金融市場
24日の米NY株式市場では、ダウは前日比132ドル(0.4%)高、ナスダックは36ドル(0.31%)高で取引を終えた。
欧米株式市場では、ドイツ銀行が前日比15%安と20年3月のコロナ・ショック以来の下落幅を記録。デフォルト(債務不履行)に備えるためのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)5年物が急上昇している。
ドイツのショルツ首相は24日、「懸念すべき点はなく、非常に高い収益性を有している」と言及。不安払拭に努めた。
金融機関に対する市場の動揺が収まらぬ中、ドイツ銀による「劣後債」の早期償還発表のタイミングが悪く裏目に出たとの指摘があるほか、混乱に乗じてヘッジファンドの空売りのターゲットにされたとの指摘もある。背景には、クレディ・スイス発行の「AT1債」が無価値化したことなどが挙げられる。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.07%高の27,886ドルに。
米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが、米SEC(証券取引委員会)から訴訟計画の事前通知であるウェルズ・ノーティスを受け取ったことで、ステーキング可能なPoS系銘柄のアルト相場にはネガティブだが、テクニカル的には一目均衡表の三役好転やボリンジャーバンドの上昇バンドウォークが発生するなど上昇余地を指摘する声もある。
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ここ数週間では、シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行の相次ぐ破綻やクレディ・スイスへの経営不安を受け、リーマン・ショック以来の金融危機懸念が再燃。多くの投資家が保有資産ポートフォリオの再編を余儀なくされた。
その結果、米国の地銀など中小銀行から預金流出が加速し、マネー・マーケット・ファンド(MMF)に数十億ドルが流入した。Investment Company Instituteの報告によれば、MMFの総資産は過去最高水準の5兆1300億ドルに達した。
MMFとは、国債や優良企業の無担保約束手形(コマーシャル・ペーパー)など安全性の高い運用を行う投資信託のこと。
ハッシュレート上昇
ビットコイン(BTC)高騰に伴い、BTCハッシュレート(採掘速度)が過去最高値を更新、26日時点で約350 EH/sに達した。年初時点の平均ハッシュレートは243.66 EH/sだったが、約1.4倍上昇している。
採掘難度を示すディフィカルティーは24日、前回比7.56%上昇した。
ビットコインは1ブロック生成あたり「約10分」の承認スピードを維持するよう設計されており、約2週間に1度の難易度調整は、供給過多によるインフレ抑止力としても働く。
ディフィカルティーは2023年以降上昇が続いており、24日までに約30%の上昇幅となった。
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