今週(3/18(土)〜3/24(金))の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
3/18(土)〜3/24(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は概ね横ばい。ドル建てでは節目の2.8万ドルを巡る攻防が続いている。
今週は週央まで高値をトライしつつ小動きが続いていたBTC相場だが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を目前に金(XAU)相場の上昇に連れて9ヶ月ぶりに380万円に乗せた。
一方、22日に最終日を迎えたFOMCでは、年末時点の政策金利の着地見通しが12月時点から変わらず年内の利下げの可能性が否定された。加えて、この日行われたイエレン米財務長官の議会証言では、預金保証の上限額引き上げが否定され、リスクオフムードに拍車を掛けた。
また、米証券取引委員会(SEC)からも新たに動きがあり、トロン(XTR)のジャスティン・ソン氏が提訴された他、コインベースが訴訟計画を通知するウェルズノーティスを受けたと明かした。
これにより、相場は一時下げ足を速めたが、350万円付近で押し目買いが入り反発すると、アルトコイン主導で持ち直し360万円を回復。さらに、5月以降の米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めが確実視される中、米国債利回りに下押し圧力が掛かりBTCは下げ幅をほぼ奪回。
その後は380万円で上値を抑えられるも、イエレン財務長官が「必要であれば預金保護に追加措置を取る準備がある」と、前日の姿勢を軟化させ、BTCは370万円周辺で下げ止まっている。
先週も懸念した通り、FOMCは年内の利下げ開始を否定した。一方、FOMC声明からは「進行中の利上げ」という文言が削除され、利上げ打ち止めの準備が意識される内容となり、米国債利回りに下押し圧力を掛けている。
今週はSECによる業界の取り締まり強化と、悪材料も確認された一方、ゲンスラー委員長から唯一商品認定されているBTCにはアルトコインからの逃避フローも期待される。また、米銀行破綻を端に発する世界的な金融危機の懸念も峠を越えた可能性があり、米株市場のリスク選好度が上向けばBTC相場の支えとなろう。
テクニカル的には、BTC対ドルは若干の過熱感が確認されたものの、足元では相対力指数(RSI)も70を割った。今週は、一目均衡表で最も強い買いシグナルとされる「三役好転」の示現と、ボリンジャーバンドで上昇相場継続を示す「上昇バンドウォーク」が発生しており、相場にはもう一段と上昇余地があると指摘される。
ドル建てのBTC価格は、2021年安値の2.88万ドル周辺がレジスタンスとなっているが、同水準の上抜けに成功すれば3万ドル台乗せが視野に入る。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:米銀救済でビットコイン反転上昇、インフレ高止まりには不透明感も