大手VCのa16z、イーサリアムL2「Optimism」のクライアントを開発へ
セキュリティの向上へ
大手ベンチャーキャピタル(VC)「a16z」の暗号資産(仮想通貨)部門「a16z crypto」は19日、イーサリアム(ETH)のL2ブロックチェーン「Optimism」の新しいクライアント「Magi」を発表した。
Magiは開発の初期段階で、これからアイデアやフィードバックを募集して構築していく。開発の目的はクライアントの多様化。ブロックチェーンはクライアントが複数あると単一障害点がなくなり、その数を増やすことでセキュリティを向上させることができる。
レイヤーL2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
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クライアントとは、特定のブロックチェーンと通信するためのソフトウェアのこと。Magiにはプログラム言語の「Rust」が使用されるため、新しい開発者を呼び込むことができる可能性もある。
Magiは、「Go」で書かれた「op-node」の代わりとして稼働できるように設計され、コンセンサス向けのクライアントとして開発されるという。役割は、実行クライアントに新しいブロックを送ること。今回の発表では、現時点におけるクライアントの多様化が、実行クライアントに偏っていることを課題に挙げた。
実際にMagiをリリースするには、まだ何カ月か開発を継続する必要があると説明。同期速度やデータ可用性など今後の改善計画を挙げ、アイデアやフィードバックを求めている。
a16zについては、今回の発表を行った同社のエンジニアリングパートナーNoah Citron氏が19日にツイッターで、近く何か発表があることを示唆していた。
OptimismのOPトークンの価格は今回の発表で上昇したが、その後に反落。CoinGeckoのデータによれば、24時間比でマイナス3%である。
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L2の需要が増加
a16z cryptoは2021年、OptimismのシリーズAの投資ラウンドで、リード投資家を務めることを発表。同社はOptimismを高く評価しており、その際「今回の出資を通して、成長を続けるイーサリアムのエコシステムをサポートしたい」と説明していた。
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また、a16z cryptoは今月、仮想通貨業界の最新状況についてレポートを公開。その際にレポートで、スケーリングソリューションが活発に開発されていることにも触れていた。
2022年には、イーサリアムのブロックチェーン全体で支払われた手数料のうち、OptimismのようなL2が占める割合は1.5%のみだったが、現在では、その割合は7%に増加しているという。
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