様子見基調のビットコイン、Deribitでは36億ドルの暗号資産オプション契約が満期迎える
マクロ経済と金融市場
25日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比35ドル(0.11%)安、ナスダック指数は213ポイント(1.7%)高で取引を終えた。
米政府の債務上限問題を巡り、バイデン大統領とマッカーシー下院議長の協議が難航していることが相場の足枷となっている。早ければ6月1日にも政府の資金繰りが行き詰まるとの見方があり、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは24日、米国の信用格付けの見通しをネガティブへと引き下げた。
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万が一にも米国がデフォルト(債務不履行)となれば、債権市場や世界経済の混乱は必至であるため、最終的に債務上限問題の交渉がまとまるとの見方が大勢を占める。債務を引き上げたとしても米国債の新規発行で流動性が減少する可能性も高いとされ、予断は許さない。
ロイターの報道によると、短期債券への関心増に伴い、短期の資金運用を目的とした投資ファンドである「マネー・マーケット・ファンド」の資産は今週、過去最高の5兆8000億ドル規模に達した。
個別銘柄では、ChatGPTの流行を受けたAI(人工知能)需要の急拡大に伴い、決算で強気の見通しを示したエヌビディアが大幅高に。セクター全体で循環物色が強まり、半導体指数(SOX)を押し上げた。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.09%高の26,413ドルに。
債務上限問題が金融相場全体の重石となり、ビットコインマイナー(採掘業者)の現物売り増加や流動性低下が確認される中、25,200ドルのサポートライン(①)付近で反発して再浮上できるかどうかが目先の焦点か。
反転を確認し、米債務問題が解決してリスクオンムードが高まれば直近高値を目指す展開も考えられるが、下方ブレイクすれば21,500ドル(②)、あるいは2万ドル割れも視野に入る。
大手デリバティブ取引所Deribitでは、BTCとETH建玉の26%に相当する約36億ドルのオプション契約が本日17時頃(日本時間)に満期を迎える。ビットコインオプション契約のプットコール比率は0.38。コールオプションがプットオプションの2.63倍に達することを示す。
オプション市場において最も多くのオプション契約が無効になる価格水準であるマックスペインは約27,000ドル。市場参加者はオプションのペイオフを最大化しようとする傾向があり、同価格帯が意識される可能性はある。
一方、予測変動率を示すインプライド・ボラティリティ(Implied Volatility、IV)は、過去最低水準に。今年1月に同様のIV水準をつけた際には、その後市場価格の大幅上昇につながったという。
Deribit Insightsは、ビットコインとイーサリアムなど異なる通貨間の「デルタボラティリティ」(Delta Volatility)が低水準で並んだことも極めて稀なケースであると指摘した。
苦境に陥るDCG
デジタルカレンシーグループ(DCG)は、マクロ経済の悪化と米SEC(証券取引委員会)による規制の不確実性を理由に、ヘッジファンドや資産運用会社などの機関投資家にプライム・ブローカレッジ・サービスを提供する子会社「トレードブロック」の閉鎖を発表した。
今月末に閉鎖手続きを開始することをブルームバーグが報じた。
デジタルカレンシーグループ(DCG)は、Three Arrows Capital(3AC)破綻とFTX崩壊の影響で破産申請した小会社ジェネシス・グローバル・キャピタルの債権を持つ暗号資産取引所Geminiに対する6億3000万ドルの債務支払いが遅延しており、デフォルト(債務不履行)および破綻リスクに直面している。
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