ヴィタリック氏、AAウォレットの課題を指摘=EthCC

EthCCに登壇

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は18日、「イーサリアム・コミュニティ・カンファレンス(EthCC)」に登壇し、「アカウントの抽象化(AA:Account Abstraction)の歴史」について語った。

AAは、ブテリン氏が以前から「イーサリアム開発者コミュニティの長年の夢である」と期待していた技術。今回は技術を賞賛しながら、課題についても話している。

イーサリアムネットワーク上のアカウントには、「コントラクトアカウント(Contract Account)」と、メタマスクなどの「外部アカウント(EOA:Externally-Owned Account)」の2つが存在。AAとは、コントラクトアカウントの機能を拡充して、この2つのアカウントをコントラクトアカウントに一本化することである。

今年の3月には、AAの機能をメインネットに実装済み。この時から、開発者はAAの機能を利用してアプリケーションの開発が可能になった。AAにより、イーサリアム以外のERC-20トークンでガス代を支払ったり、紛失したウォレットをソーシャルリカバリーしたり、ガス代を肩代わりしてもらったりすることなどができるようになる。

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AAのメリットについてブテリン氏は今回、署名の集約が可能になったことに言及。これによってデータを圧縮できるようになり、処理コストの低下につながると述べた。特に、署名の容量が大きくなるレイヤー2のロールアップに有益だと指摘している。

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なお、このメリットについては、ブテリン氏は以前から説明してきた。昨年8月にも以下のツイートで、AA(ERC-4337)でどのくらい情報が圧縮できるかをツイッターに投稿。今回のプレゼンでも、以下の画像を使用している。

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課題について

AAには大きなメリットがあるとする一方で、登壇の最後には現在の課題を指摘。例えば、EOAをアップグレードするためのイーサリアム改善提案(EIP)が必要になると述べている。

EIPとは

「Ethereum Improvement Proposals」の略で、その訳が「イーサリアムの改善提案」。プロトコルの仕様などを番号を振って管理して内容を公開し、コミュニティに情報を提供する役割も果たしている。

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ほかにも、生体認証による署名や現在のウォレットなど既存の技術への対応も課題だと指摘。それでもAAは非常に発展してきており、これからが楽しみな技術だと期待を示して、プレゼンを終えた。

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