はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムが「スマートアカウント」を実装、ウォレットのユーザビリティ向上に期待

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ETHで「スマートアカウント」を実装

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンに、ERC-4337「アカウント抽象化」が実装されたことが2日に明らかになった。これにより、従来のユーザーウォレットでサブスクリプションやゲームでの支払い自動化など、プログラムベースの支払い手段が構築可能になる。

アカウント抽象化とは通称「スマートアカウント」とも呼ばれ、ユーザーがアカウントでスマートコントラクトを使用可能にするブロックチェーン技術。

EIP-4337はアカウント抽象化に対するイーサリアム標準であり、今回の発表を受けて開発者は本標準に基づいてアプリケーション構築を開始できるようになった。

スマートアカウントで可能なユースケースには、二要素認証、ERC20を用いたガス代の支払い、スマートフォンでのトランザクションへの署名、アカウントの毎月の支出制限の設定、ブロックチェーンゲームをプレイするためのセッションキーを作成してトランザクションの毎回承認を不要にする、紛失したウォレットのソーシャルリカバリー、ガス代の肩代わり、などが想定される。

ERC-4337は、イーサリアム(ETH)創設者のヴィタリック・ブテリン氏が2015年に発表したコンセプトに基づいたもの。

メタマスク等の仮想通貨ウォレットではユーザーが秘密鍵を管理しているため、通常では各取引でブロックチェーン上で支払いを開始するためにユーザーの操作が必要だった。今後はアカウント抽象化の仕組みを応用して、ウォレット経由の支払いを自動化することができる。

これまでArgent WalletやStarkware社が個別にアカウント抽象化を導入してきたが、より広範なエコシステムに関わる環境での実装は初めてとなる。

イーサリアム財団のセキュリティリサーチャーであるYoav Weiss氏は、ERC-4337の実装により仮想通貨ユーザーのユーザビリティが劇的に向上すると主張。新規ユーザーは仮想通貨ウォレット作成に必要な複雑なシードフレーズや、ウォレットを設定する技術的方法について学習する必要はなくなるとWeiss氏は語っている。

次の10億人のユーザーは、紙にリカバリーフレーズ12語をメモする必要がなくなるため、使いやすさが向上することになる。もはや秘密鍵について考える必要はない。

関連:米決済大手Visa、デジタルウォレットの自動支払いを提案

ウォレットのソーシャルリカバリー

アカウント抽象化の利点の一つとして、仮想通貨ウォレットに使用される秘密鍵をスマートフォンセキュリティモジュールに格納できるようになる点がある。これにより、ウォレット利用時の2要素認証の使用が可能になり、指紋やフェイススキャンでトランザクションに署名できる。

また、デバイスを紛失したとしても、信頼できる友人のグループや商用サービスを介して、アカウントの復元が可能になる。

ERC-4337は、バンドラーと呼ばれる分散型インフラストラクチャを利用する。バンドラーはマイナーやバリデーターのような検証者の役割を担い、専用のmempoolからユーザーのオペレーションキュー(指示)を取得し、必要な結果をウォレットに返す。

ウォレットおよびインフラストラクチャプロバイダーであるStackupは、イーサリアムメインネットの最初のバンドラーとして機能する。加えて、アカウント抽象化に適したアプリケーション構築に使用できるオープンソースツール群を提供する。Alchemyなど他のWeb3開発インフラのプロバイダーもバンドラーに参画する予定だ。

ERC-4337のスマートコントラクト(EntryPoint)はOpen Zeppelinによる監査を通過して実装された。当コントラクトはすべてのイーサリアム仮想マシン(EVM)互換チェーンで使用可能。主要なEVM互換チェーンには、ポリゴン(MATIC)、オプティミズム(OP)、アービトラム、BNB、アバランチ(AVAX)などが含まれる。

Stackupの共同創設者John Rising氏は、最初にポリゴン上で関連アプリケーションをリリースする計画を表明している。

関連:ヴィタリック氏、イーサリアムのロードマップを更新

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/19 土曜日
13:50
トランプ一族関連のWLFI、4.5億円分のイーサリアムを追加購入 総額370億円超に
ワールド・リバティ・フィナンシャルが861ETHを新規購入し、総保有量は70,143ETHに到達。仮想通貨法案可決が追い風に。
13:20
ジャック・ドーシーのブロック社、S&P500指数に追加へ
ジャック・ドーシー率いるブロック社がS&P 500指数に追加される。株価は時間外取引で10%以上上昇した。同社は米国製の新ビットコインマイニングチップを年内発売予定だ。
11:30
ピーター・ティール支援の仮想通貨取引所ブリッシュがIPO申請=CNBC
元NYSE社長トム・ファーレイ率いるブリッシュが証券取引委員会にIPOを申請。コインデスク買収実績を持つ同社の上場計画と業界動向を報告。
11:02
著名アナリストが分析、「ビットコインからイーサリアムへ資金移動、アルトシーズンの兆し」
ウィリー・ウー氏らがアルトシーズン開始を予測。仮想通貨ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが本格化し、アルトコイン市場の上昇環境が形成。
10:05
JBA、暗号資産アンケート 分離課税20%導入の場合84%が投資増額意向
日本ブロックチェーン協会が暗号資産税制アンケート結果を公表した。保有者の84%が分離課税20%で投資増額すると回答した。また、10人に1人以上が暗号資産を保有などの結果も出た。
08:50
仮想通貨全面高の一週間、米下院クリプトウィーク振り返りと今後の見通し|仮想NISHI
今週の仮想通貨市場は、米下院で開催された「仮想通貨週間」において、ビットコインが史上最高値となる12万ドルを超える展開となった。アルトコイン市場においても大幅な上昇が見られた。
08:30
リップル発行のRLUSD、ブルーチップから最高評価獲得
独立の格付け機関ブルーチップがリップルのRLUSDステーブルコインにA評価を付与。BNYメロンでの準備金管理と堅牢なコンプライアンス体制などが評価された。
07:30
「米SECはトークン化の規制例外措置を検討中」アトキンス委員長
米SECのアトキンス委員長が、SECは証券のトークン化における規制の例外措置を検討していると明かした。RWAのトークン化は仮想通貨・ブロックチェーン領域で大きなトレンドになっている。
07:00
「保有していれば国家債務削減できたか」ブルガリア政府が2018年に手放した21万ビットコインの現在価値
ブルガリア政府が2018年に売却した21万3500BTCの仮想通貨ビットコインの現在価値は250億ドル超。同国債務の約8割に相当する巨額損失として話題に。
06:20
米上場ビットデジタル、イーサリアム保有量12万ETHに拡大
米ナスダック上場のビットデジタル社が18日、6730万ドルの資金調達で19683ETHの仮想通貨イーサリアムを追加購入。総保有量は120,306ETHで、時価4.24億ドルに拡大。
05:40
トランプ大統領がステーブルコイン法案に署名、米初の仮想通貨包括規制法が成立
トランプ大統領が19日、ステーブルコイン規制枠組みを定めるGENIUS法案に署名し米初の仮想通貨包括規制法が成立。2500億ドル規模のステーブルコイン市場に明確な規制導入。
07/18 金曜日
17:36
JBA、仮想通貨の税制改正「5項目」提言 申告分離課税20%など
日本ブロックチェーン協会が7月18日、暗号資産の税制改正要望書を政府に提出。最大55%の総合課税から20%分離課税への移行、損失繰越控除、暗号資産同士の交換非課税など5項目を要望。
17:00
ビットコイン、上昇余地あるも利確の動きに注意=Glassnode分析
ブロックチェーン分析企業Glassnodeは、最新のビットコイン市場分析レポートで、オンチェーン指標と過去のデータから、ビットコイン価格はさらに上昇する可能性があり、13万ドルが次の重要な抵抗線となると予測した。
13:55
米サムザップ、仮想通貨投資枠370億円に拡大 XRPやDOGEなど6銘柄追加承認
米上場のサムザップメディアが17日、取締役会で仮想通貨投資枠を2.5億ドルに拡大と発表。イーサリアム、ソラナ、XRP、ドージコイン、ライトコイン、USDCを新たに投資対象に追加。
13:30
ハミルトン・レーンのSCOPEファンド、マルチチェーン化
資産運用大手ハミルトン・レーンのプライベートクレジットファンド「SCOPE」がイーサリアムとオプティミズムでマルチチェーン化した。セキュリタイズとワームホールが提携し実現している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧