弱い経済指標で米国株続伸、マラソンやコインベースなど仮想通貨関連株が大幅高|30日金融短観
8/30(水)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:34,852ドル +0.8%
- ナスダック:13,943ドル +1.7%
- 日経平均:32,226円 +0.1%
- 米ドル/円:145.8 0%
- 米ドル指数:103.4 -0.5%
- 米国債10年:年利回り4.12 -2.2%
- 金先物:1,965ドル +0.9%
- ビットコイン:27,651ドル +6.5%
- イーサリアム:1,731ドル +5.4%
伝統金融
暗号資産
本日のNYダウ・ナスダック
本日のNYダウは+292ドルと続伸しナスダックも+238ドルで取引を終えた。弱い経済指標を受けて米FRBの金融引き締めが終わりに近づいているとの観測が強まり、IT・ハイテク株中心に買いを後押しした。特にエヌビディア株は終値で過去最高値「487.84ドル」をつけた。
FactSetのデータによれば、エヌビディアの株価は、S&P500の17%上昇に対し、年初来で234%上昇しており、すでに2016年年間の224%上昇を上回っている。なお、2001年に記録した1年間の最高上昇率308%だった。
二つの経済指標
先週ジャクソンホールでパウエルFRB議長が今後の利上げ方針は経済指標に大きく左右すると発言したことから、9月20日のFOMC金利政策発表までの間の経済指標に対して市場はより敏感になりそうだ。米労働省が昨夜発表した7月の雇用動態調査では、求人件数が33万8000件減の882万7000件で、予想の945万5000件を大きく下回った。2021年3月以来約2年半ぶりの低水準となった。
なお、6月分で958万2000件から916万5000件に下方修正されたことも好感された。労働市場はここのところリセッション(景気後退)を避けながら徐々に軟化する方向に向かっており、9月FOMCで金利を据え置くとの観測が強まっているようだ。
また、米民間調査機関が昨晩発表した8月調査の米消費者信頼感指数は予想の116を下回り106.1に低下。なお、前月は速報値117から114に下方修正された。
この2つの弱い指標を受けて米国債利回りは大幅に低下。米金融政策の見通しに敏感な2年債利回りは一時4.87%を割り込み、8月11日以来の低水準に。一方、10年債は一時4.1%まで低下した。景気後退のリスクを示す逆イールドでは、2-10年債の利回り格差は前営業日の-85から-77へと縮小している。
現在の市場焦点は今夜発表の米8月ADP雇用統計と、9月1日に発表される米8月失業率へシフト。労働市場の減速傾向は継続する見込みだ。
重要経済指標(注目度:★★★★☆)
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米国株
米国株は米国債利回りが低下したことを受けて前日に続きAI関連・ハイテク株を中心に買い戻された。
個別銘柄の前日比:エヌビディア+4.16%、AMD+3.2%、テスラ+7.6%、マイクロソフト+1.4%、アルファベット+2.7%、アマゾン+1.3%、アップル+2.1%、メタ+2.6%。
エヌビディアについては、ナスダック上場のビットコインマイニング企業Iris Energyが1,000万ドルをエヌビディア製のAI用GPUに投入すると伝えた。Iris EnergyはH100型GPUを248体購入し、AI関連ビジネスへの拡張を図る。
同社のDaniel Roberts CEOは「サステイナブル・コンピューティングの需要がなくなることはないと考えており、ビットコイン・マイニング用のASICであれ、ジェネレーティブAIやその先のGPUであれ、広範な業界における継続的な成長を取り込むことができると信じている」と語った。
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ビットコインマイニング株高騰
また、SECとの間で起こされたビットコインETF転換の裁判でグレースケースに有利な判決が下されたことを受けてビットコイン(BTC)が大きく反発しており、ビットコインマイニング株などの仮想通貨関連銘柄は連れ高で高騰した。
- コインベース|84.7ドル(+14.9%/+14.1%)
- マイクロストラテジー|381.5ドル(+10.7%/+13.5%)
- マラソン・デジタル|13.6ドル(+28.8%/+29.7%)
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