仮想通貨MATICをPOLにアップグレードする提案公開 Polygon 2.0を本格開始へ
仮想通貨MATICをPOLへ
ポリゴン(MATIC)の開発チーム「Polygon Labs」は14日、新たな開発計画「Polygon 2.0」を本格的に開始することを発表した。
まずは3つの改善提案(PIPs:Polygon Improvement Proposals)をリリース。今回の提案の主な目的は、MATICトークンをPOL(Polygon Ecosystem Token)トークンに置き換えることで、コミュニティの承認が得られれば、今年の4Q(10月から12月)にも提案の実行を開始すると説明している。
ポリゴンとは
イーサリアム(ETH)のスケーラビリティ問題に取り組むプロジェクト。「Polygon PoS」や「Polygon zkEVM」など複数のソリューションを開発し、大手企業らに採用される事例が続いている。
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Polygon Labsは今年6月、Polygon 2.0の計画を発表した。その後、大きく分けて4つのアップグレード計画を公表。MATICをPOLに置き換える計画は7月に、3つ目のアップグレードとして発表していた。この時は計画の概要だけを発表していたが、今回は実際にPIPとして提案を行っている。
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今回の提案の内容は以下の通り(掲載順)。
- PIP-18:Polygon 2.0の最初の計画(Phase 0)の詳細
- PIP-17:POLの詳細
- PIP-19:Polygon PoSチェーンのネイティブ通貨をPOLにする計画
細かく見ると、17や19の提案は18に含まれ、Phase 0でPOLトークンへの置き換えを始めることを計画している。そして、18に書かれている内容は個別にPIPとして、これからも提案していくとした。
また、Phase 0ではエンドユーザーや、Polygon PoSとPolygon zkEVMの2つのチェーンの既存の開発者は何も行う必要はないと説明。Phase 0は以下の4つに特化してアップグレードしていく計画で、必ずしも全てを同時に行うわけではないと述べている。
- POLへのアップグレードを開始
- Polygon PoSチェーンのネイティブガス通貨をPOLへ変更
- Polygon PoSチェーンのステーキング通貨をPOLへ変更
- ステーキングレイヤーをローンチ
Polygon Labsは、Polygon 2.0の中核は「コミュニティをサポートすること」だと説明。開発者やクリエイターなど全てのエコシステム参加者をサポートしていくことを意図しているため、提案についてフォーラムで議論を行うように促している。
POLについて
MATICは日本の取引所にも上場している銘柄で、ネイティブ通貨が置き換わることに対する投資家の関心は高い。
POLはPolygon 2.0のネイティブ通貨として機能。イーサリアムをインターネットのレベルまで拡張させるために、ゼロ知識証明を活用したL2チェーン群のエコシステムを支えることができる「次世代のトークン」であると説明している。
MATICとは1:1の割合で置き換えられ、初回の供給量は10億POL。その後は年2%が新たに放出され、ステーカーとコミュニティの財源に平等に分配されていくとした。
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Astar zkEVM発表も
13日には、Polygon Labsは日本発のパブリックブロックチェーンAstar Networkを開発するステイクテクノロジーズと協業し、イーサリアム(ETH)のレイヤー2「Astar zkEVM Powered by Polygon」を共同開発することを発表した。
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