SBIがTradeFinexと日本で合弁会社設立へ XDC Networkを広く提供
XDC Networkの普及へ
SBIホールディングスは29日、アラブ首長国連邦(UAE)拠点のTradeFinex Tech Ltd.(以下TradeFinex)と、日本における合弁会社の設立について基本合意したことを発表した。
TradeFinexは企業向けのL1ブロックチェーン「XDC Network」を展開する企業。新設する合弁会社は、XDC Networkが備える革新的なソリューションを広く提供していくと説明した。
具体的には、日本国内でXDC Network関連の情報をローカライズしたり、ネットワークの暗号資産(仮想通貨)「XDC」の上場を望む取引所をサポートしたり、L2・サブネット企業とのパートナーシップを拡大したりする。
ほかにも、XDC Networkの関連企業であるシンガポールのXDC Trade Network Pte. Ltd.が提供する貿易金融ソリューションを、APAC(アジア太平洋)地域に展開していくとした。
合弁会社の名称は「SBI XDC Network APAC株式会社」と書かれているが、現時点では仮称。資本金は3億円で、出資比率はSBIホールディングスが60%、TradeFinexが40%である。
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これまでの経緯
SBIグループにおいては、仮想通貨取引所SBI VCトレードが2023年5月にXDC Networkとパートナーシップを締結。XDC Networkを日本で普及させる取り組みを開始している。
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例えば同月にSBI VCトレードがXDCを国内初上場。その後にステーキングサービスや入出庫サービスも開始した。
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ステーキングとは
仮想通貨を所定の期間、預け入れることで報酬が得られる仕組みやサービスのこと。仮想通貨を預け入れることでブロックチェーンネットワークの運営に貢献し、対価として報酬を得られる。
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XDC Networkの特徴
XDC Networkは、イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)と互換性のあるブロックチェーン。現在は主に貿易金融で活用され、現実資産(RWA)や金融商品のトークン化に使われる。
SBIホールディングスは他にも、サプライチェーン(供給網)管理や国際決済などでの活用も期待されていると説明。そして、XDC Networkは世界貿易機関(WTO)、国際商業会議所(ICC)、そのほか多くの政府機関らと密接に連携しているとした。
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貿易金融は、ブロックチェーンのユースケースとして注目度が高い領域だ。貿易金融では銀行が支払いを保証する信用状や、船荷証券など必要な書類も多く、ブロックチェーンを活用することでコストや書類の削減、透明性や追跡性、効率性の向上、リスクの低減などの効果が期待されている。
今月には金融大手のCiti(シティ)が、ブロックチェーンを活用した新サービス「Citi Token Services」を開発・実験していることを発表。これはRWAをトークン化するサービスで、貿易金融や預金管理に導入することを想定している。
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