CoinPostで今最も読まれています

「暗号資産法人税制のさらなる改正を」金融庁が令和6年度税制改正要望を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

第三者保有の暗号資産

日本の金融庁は8月31日、令和6年度の税制改正要望を公開した。

暗号資産(仮想通貨)の税制について、法人税に関する改正を要望。以前から問題視されていた「第三者保有の暗号資産」について、期末時価評価課税に係る見直しを進めることを要望するとした。この内容については、経済産業省も要望していると記載してある。

関連「Web3で日本IPを海外へ」YugaラボCEOと経産省板垣氏が対談|WebXカンファレンス 

日本の以前の法律では、企業が暗号資産を保有している場合、一律に期末時に含み益に課税されていた。このルールは企業の負担になり、暗号資産やブロックチェーンのイノベーションを阻害していると長期に渡って指摘されている。

この法人税のルールを巡り、令和5年度の税制改正で、「自社発行」の暗号資産だけは条件を満たせば時価評価の対象から除外されるようになった。この変更は、日本における暗号資産税制改正の大きな一歩と評価された一方で、第三者が保有する「他社発行」の暗号資産に対しても同様の改正を望む声がより明確になっている。

出典:金融庁

関連国税庁、仮想通貨法人税のルールの一部改正を正式発表

第三者保有の暗号資産に関する税制改正は、「日本ブロックチェーン協会(JBA)」が7月に政府に提出した税制改正要望にも記載。JBAは、以下の内容を要望した。

第三者発行による暗号資産を取得した法人が保有する短期売買目的以外の暗号資産に対する期末時価評価課税から、帳簿価額による評価とすることにより、期末含み益課税を撤廃すること。

現状のブロックチェーン業界において国内資本企業の参入障壁の高さの要因となっている第三者発行トークンに対する期末含み益課税を撤廃し、web3業界への新規参入を促すとともに国内法人によるweb3事業を営める環境を促進すること。

関連暗号資産税制改正要望を政府に提出、日本ブロックチェーン協会

また、日本におけるweb3事業環境の改善の必要性を訴え続けている、アスターネットワーク(ASTR)のファウンダー渡辺創太氏は、今回の金融庁の改正要望を受け、以下のようにコメントした。

金融庁は今回の改正を要望する理由は「web3推進に向けた環境整備を図り、ブロックチェーン技術を活用した起業等を促進する」ためと説明している。

関連金融庁、Web3・暗号資産含む資産運用立国の実現に向けた「金融行政方針」を発表

税制改正は続くか

今回の改正が実現すれば、令和5年度に続き、暗号資産税制の改善に向けてさらに前進することになる。一方で投資家からは、取引の利益に対する課税方法を変更して欲しいという要望が長期に渡って上がっている。

JBAは上述した要望書に以下の2点も記載した。

  • 申告分離課税・損失の繰越控除の導入(税率は一律20%に)
  • 暗号資産同士の交換時における課税の撤廃

アンケート調査を実施したJBAは税制改正要望に結果を掲載。一律20%の申告分離課税となった場合の影響について質問したところ、「投資額を増やしたい」という回答が90.1%(回答数は1,223)を占めたという。

また、このうち、投資額を2倍以上に増やしたいとの回答が43.9%(同596件)だったとした。

出典:JBA

今回の金融庁の要望を受け、web3業界に精通する税理士の柳澤賢仁氏は、取引の税制について以下のようにコメント。申告分離課税導入の方を重要視している。

関連日本の仮想通貨税制は本当に変わる?|WebXレポート&インタビュー

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア