ブラックロックETF申請でイーサリアム2100ドル台に高騰、MATICは7.4%高
マクロ経済と金融市場
9日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比220ドル(0.64%)安、ナスダック指数は128.9ポイント(0.94%)安で取引を終えた。
国際通貨基金(IMF)の年次研究会議において、世界経済における金融政策の課題に関するディスカッションに参加したパウエル議長が、インフレ次第で追加利上げを躊躇なく行うことに改めて言及した。
米長期金利が再上昇したことを受け、東京株式市場では日経平均株価が下落した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比1.53%高の1BTC=36,895ドルに。
一時38,000ドルを付ける場面があった。
暗号資産(仮想通貨)相場崩壊の序章となった22年5月のテラ(LUNA)ショックおよび大手ベンチャーキャピタルThree Arrows Capital(3AC)破綻前の強気相場水準まで上昇した。この影響が尾を引いた結果、同年11月のFTXおよびアラメダ・リサーチ破綻につながった。
時価総額2位のイーサリアム(ETH)が前日比10.8%高と急騰。今年4月以来7ヶ月ぶりの高値となる1ETH=2100ドル水準を付けた。
先物市場では、6000万ドル(90億円)規模のETHがロスカット(強制清算)された。
相場上昇の背景としては、最大手資産運用会社ブラックロックが、米デラウェア州にてイーサリアム現物ETF(上場投資信託)「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト」の登録書類を提出したことが判明したほか、米ナスダックが公表した書類でイーサリアム現物ETFに関する米SEC(証券取引委員会)への申請が材料視された。
カストディアン(資産管理)に指定されたのは、ビットコインETF(上場投資信託)と同じく米コインベース。ブラックロックは、コインベースと市場監視協定を結んでいる。
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また、ナスダックの提出書類では、グレイスケール・インベストメンツがGBTCの現物ETF転換をめぐり米SEC(証券取引委員会)に勝訴したことを引用しており、先物ベースのETFがすでに承認されていることを引き合いに出した。大手資産運用会社のVanEck、Invesco、21Sharesなども、イーサリアム現物ETFの申請をすでに出している。
ETFが承認された場合、個人投資家は暗号資産を直接保有することなくエクスポージャーを得ることができるようになる。21年11月に米国で初承認された先物ETFは満期を迎えた後のロールオーバーコストが高く、十分な需要があるとは言い難い。
強気の見通しが台頭する中、デリバティブ市場ではビットコインのOI(未決済建玉)が22年4月以来の高水準ととなる163億ドルに急増し、オプション取引や先物への需要の高まりが浮き彫りとなった。
ETH関連銘柄では、イーサリアムの主要レイヤー2ソリューションであるポリゴン(MATIC)が7.4%高となった。
ポリゴン(MATIC)の開発チーム「Polygon Labs」が助成金プログラム「Polygon Village 2.0」を発表したことも好感された。
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Santimentによれば、10月24日以来、10万〜1,000万MATICを保有するクジラ(大口投資家)が4,288万MATICを買い増すなど強気の行動に打って出ている。
アナリストらの見解
ブルームバーグのアナリストであるEric Balchunas氏は、「米SEC(証券取引委員会)がイーサリアムETF(上場投資信託)を上場承認しない理由は見当たらない」と述べた。
一方、慎重な見立てもある。
The Blockが報じたJPモルガンのストラテジストらは、「ビットコインETF(上場投資信託)が米SEC(証券取引委員会)に上場承認された場合でも、その影響は限定的と主張する。
「新たな資本の流入よりも、既存のグレースケール・ビットコイントラスト(GBTC)やビットコイン先物ETF、マイニングなどの金融商品から資金がシフトするだけに留まり、セルザファクトを引き起こす可能性が高い」と懐疑的な見方を示している。
セルザファクトは、“噂で買って(実際に材料が出た時の)事実で売る”という相場の格言だ。ビットコイン現物ETFは、カナダやヨーロッパですでに承認されているが、需要が拡大していないことが根拠の一つにある。
翌年4月頃に予定される、ビットコインの供給量が大きく減少する半減期についても、「すでに市場に織り込まれている」との認識を示した。
「現在のハッシュレート(採掘速度)とディフィカルティー(採掘難易度)を元に、半減期後の1BTCあたりの推定生産コストを計算すると、現在の21,000ドルから43,000ドルまで上昇することが示唆される」という。
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