独トーラス、フィンテック融資Teylorと提携 中小企業債をトークン化へ

ドイツの中小企業信用をトークン化へ

デジタル資産のカストディ及び発行基盤等を手掛けるスイスのTaurus(トーラス)は14日、ドイツの中小企業市場に特化したフィンテック融資プラットフォームTeylor(テイラー)との提携を発表した。

両社は、ドイツの中小企業向けローンをトークン化することがパートナーシップの目的だとしている。最近、金融業界から注目が高まっている現実資産(RWA)トークン化の動きの一つとなる格好だ。

RWAとは

「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。

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トーラスのインフラと、トーラスの運営する規制された取引所「TDX」でテイラーの中小企業信用ポートフォリオの一部をトークン化する。これにより、プロの私債投資家は安全なブロックチェーンベースの流通市場を通じてリターンを挙げられるようになる見込みだ。

テイラーは、金融機関がデジタル信用商品を構築、提供できるソフトウェアを開発したスイスのテクノロジー企業だ。銀行は、テイラーのソフトウェアにより、融資プロセスや商品をデジタル化し、コスト削減できる。

また、中小企業は、テイラー独自のプライベートデットファンド(私的な債務投資ファンド)により、資本への迅速なアクセスを得ることが可能だ。

トーラス社のマネージングパートナー兼共同創設者であるラミン・ブラヒミ氏は、次のようにコメントした。

民間の中小企業債務は、機関投資家以外が流通市場にアクセスすることがほとんどできないため、流動性の低い資産クラスだった。

テイラー台帳ベースのデジタル証券により、投資家はこれまでより少額からこれに投資し、それらのトークンをTDX取引所で取引できるようになった。

テイラーは過去3年間で約4,700億円(30億ユーロ)を超える中小企業債務を処理した実績がある。また、テイラー台帳ベースの証券の基礎となるポートフォリオは、安定したキャッシュフローを持つドイツの中小企業信用で構成されている。

ブラヒミ氏は、トークン化プロセスはルクセンブルクを拠点とする投資企業を通じて行われ、スイスと欧州の両方の規制に準拠するように設計されているとも話した

トーラスの動き

欧州金融大手のドイツ銀行も9月にトーラスとの提携を発表。仮想通貨の保管サービスや、資産トークン化事業への進出を見据えた動きとなる。

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トーラスは2018年にスイスで設立された。デジタル資産の全範囲をカバーするインフラを提供しており、9月にはHyperledger BESUやQuorumといった許可型ブロックチェーンへの対応も開始している。

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三菱UFJ信託銀行らの事例

日本でも資産トークン化の動きは活発化しており、三菱UFJ信託銀行や同社から独立したProgmat(プログマ)ら約30社が、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドのデジタル証券化に取り組むことも伝えられているところだ。

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