ビットコイン週足は調整継続を示唆、アスター(ASTR)は前週比25%高と躍進
マクロ経済と金融市場
前週末19日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比395.1ドル(1.05%)高、ナスダック指数は255.3ポイント(1.7%)高で取引を終えた。
東京株式市場は、前場の日経平均株価は前日比393.7円(1.0%)高となった。AI(人工知能)市場に関連する半導体関連銘柄などの米ハイテク株高が追い風となり、バブル崩壊後の最高値を更新した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比2.2%安の1BTC=40,712ドルに。
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アナリストのRekt Capital氏は、「週足終値が弱気であり、さらなる調整に突入する恐れがある」と指摘した。
40,000ドル水準の底堅さを確認できる一方、反発の力が弱まっている。週足上髭陰線が目先天井を示唆しているとの見方があり、40,000ドル水準を底抜けた場合、38,000ドル(①)や34,700ドル(②)のサポートが下値目処として意識されそうだ。
背景として、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)からの流出がビットコイン価格に下落圧力をかけていることがある。
ビットコインETF(上場投資信託)転換に伴い、ディスカウント(マイナス乖離)で購入した保有者がオープン償還オプションを行使しており、QCPキャピタルによればETFへの転換以来、11億7000万ドルの流出を記録した。
グレイスケールのビットコインETFの管理手数料は、業界最高額の1.5%となっており、ブラックロックとフィデリティの管理手数料と比較して競争優位性の低さも指摘される。
QCPキャピタルは、4月中旬に予定されるビットコイン(BTC)半減期や、今年5月頃に見込まれるイーサリアム現物ETFの承認の可能性が取り沙汰されるまで、暗号資産(仮想通貨)相場が材料不足に陥る可能性を指摘した。
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昨今の堅調な経済指標に伴い、FRB(米連邦準備制度)による早期利下げ期待が後退し、米ドルや米国債金利が急上昇したことも向かい風だ。NY外為市場では、米ドル指数(DXY)は約1ヶ月ぶりの高値を付け、節目の103.50〜104.56に接近する。
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アルトコイン市場
2022年に破綻した暗号資産(仮想通貨)融資企業セルシウスや大手取引所FTX、およびアラメダ・リサーチの債務整理も市場の売り圧力となっている。 セルシウスは最近、債権者への返済開始のため、1億2500万ドル相当のイーサリアム(ETH)を複数の仮想通貨取引所に送金した。保有量は約55万ETH(13億6,000万ドル)とされる。
個別銘柄では、日本発のパブリックブロックチェーン Astar NetworkのネイティブトークンであるASTRが前週比25.4%高、前月比88.4%高と大幅続伸した。
Astar 2.0 と呼ばれるアップグレードのロードマップを控えるアスター(ASTR)は、韓国最大手Upbitへの上場以降、断続的に高騰が続いている。
アスターは「アジア戦略」のもと、パートナーやメンバーとのリレーション強化を含む韓国市場への進出を推進しており、韓国コミュニティの人数は昨年10月から倍増しており、Upbitの出来高ランキングでは、上位にランクインしたことを報告した。
ASTRのホルダー数は64万人を突破し、DeFiプロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」も過去最高値に迫る勢いを見せている。
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