「米SECはイーサリアム以降は仮想通貨現物ETFを承認しない可能性」JPモルガン分析

仮想通貨ETFを分析

米金融大手JPモルガンの幹部Nikolaos Panigirtzoglou氏は、イーサリアムの後に米証券取引委員会(SEC)が他の暗号資産(仮想通貨)の現物ETFを承認することはないのではないかとの見方を示した。同氏から話を聞いた「The Block」が27日に報じた。

Panigirtzoglou氏の見方の根拠は、SECが多くの仮想通貨を有価証券に分類する可能性があること。その有価証券性を否定する法律ができればSECは他の現物ETFも承認するかもしれないが、現時点ではそのような法律はまだないと述べた。

SECのGary Gensler委員長は以前から、仮想通貨の多くは有価証券に該当する可能性があるとの見方を示している。特に、コンセンサスの仕組みにプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用する銘柄を対象にした発言が目立つ。

PoSとは

保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。

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一方で、イーサリアムは2022年にプルーフ・オブ・ワークから(PoW)からPoSに移行したが、現物ETFについて、SECは先週19b-4という取引所側の書類を承認した。ETF発行企業側の書類であるS-1が承認されれば、ETFの取引は可能になる。

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Panigirtzoglou氏は今回、イーサリアムが有価証券に該当するのかどうかがまだ不明瞭であることを考慮すると、SECは少し強引に19b-4を承認にしたのではないかと分析。そのため「ソラナや他のトークンのETFを続いて承認していくことはないだろうと我々は考えている」と説明した。

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上述したように、ビットコインとイーサリアム以外の仮想通貨の現物ETFが承認される可能性が高まる条件は、多くの仮想通貨が有価証券に該当しないという法律を議員が作ることであると同氏は主張。JPモルガンは、このような法律ができれば、他の仮想通貨の現物ETFにも承認の道が開けるとみているとした。

米議会では現在、包括的な仮想通貨法案「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)」を審議中。これは、仮想通貨の監督機関や証券性などについて規制を明確にすることが目的で、先週に下院を通過した。一方、ゲンスラー委員長はFIT21の内容に反対しているが、バイデン大統領は先週法案に対して拒否権を行使しないと示唆した。

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他の見方

イーサリアムの19b-4が承認される前後から、次に米国で現物ETFが誕生する銘柄を予想する声は増えてきた。JPモルガンは上記のようにみているが、イーサリアム以降もSECは仮想通貨現物ETFを承認するとの見方も多い。

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例えば、仮想通貨投資企業BKCMのBrian Kelly CEOは、イーサリアムが上場承認される前に、イーサリアムの後は次にソラナの現物ETFが続くだろうと語った。今のサイクルでは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナの3銘柄が主要通貨だとの見方を示している。

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また、英スタンダードチャータード銀行のGeoffrey Kendrick氏は、「他の仮想通貨の現物ETFは2025年に承認されるかもしれない」と予想。その対象となる銘柄の例にはソラナとXRPを挙げた。

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同氏は、現物ETFの上場が承認されたことは、イーサリアムが有価証券として分類されていないことを示唆しているとも述べている。

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